2010 Fiscal Year Annual Research Report
心筋-血管クロストークの解析:前高血圧期への介入による高血圧発症予防の分子機序
Project/Area Number |
21590943
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
甲斐 久史 久留米大学, 医学部, 准教授 (60281531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 英美 久留米大学, 循環器病研究所, 助教 (50349700)
池田 理望 久留米大学, 医学部, 助教 (80412500)
安岡 逸 久留米大学, 医学部, 助教 (10461435)
姉川 敬裕 久留米大学, 医学部, 助教 (00511833)
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Keywords | 高血圧 / 心筋細胞 / 血管平滑筋 / 遺伝子発現 / 細胞間クロストーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、前高血圧期から高血圧発症にいたる機序、ならびに早期薬物介入が高血圧発症を予防する分子機序を解明することである。そのために、レーザーマイクロダイセクション(LMD)法を用いることで、介入中止直後の前高血圧期と高血圧期における心臓・腎臓・大動脈から細胞群別に(心臓:心筋細胞・血管細胞・浸潤細胞、腎臓:糸球体・尿細管・血管細胞・浸潤細胞、大動脈:中膜・外膜および浸潤細胞)を個別に収拾し、各細胞群ごとの遺伝子発現プロファイルに及ぼす効果を明らかにする。平成21年度は、2種類のラットモデルで検討を行った。 1. 遺伝性高血圧モデルSHR-SP:非治療SHR-SPと正常血圧ラットWKYを飼育し、血圧正常期の4週令から、高血圧性臓器障害期の24週令まで飼育した。一方、前高血圧期治療群として、3-7週令にアンジオテンシン受容体拮抗薬またはヒドララジンを投与した群を作成し、同様に24週令まで飼育した。血圧・体重測定、心エコー図にて左室肥大・左室機能測定を経時的に測定。同時に、脳卒中発症および死亡をエンドポイントにカプランマイヤー生存曲線の作成を行った。 2. 血圧変動モデル:両側性頸動脈圧受容体破壊術(SAD)を施行し平均血圧は変わらないが血圧変動が増大するラットモデルを開発。WKYと高血圧進展期のSHRにSADを施し、血圧変動が高血圧性臓器障害の発症に及ぼす影響を解析した。血圧変動は正常血圧ラットにおいても軽度心肥大と心筋線維化を引き起こすが、高血圧ラットでは著明な心肥大と心筋線維化が惹起された。現在、レーザーマイクロダイセクション法(LMD)を用いて高血圧性肥大心の心筋細胞、血管構成細胞、血管周囲浸潤細胞を選択的に分別採取し、RNAを採取。組織別にジーンチップ解析を行った。その結果、WKYに比して、2倍以上あるいは1/2以下に発現が変化した遺伝子について、その変化の有意性についてリアルタイムRT-PCR法を用いて確認を行った。
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Research Products
(5 results)