2009 Fiscal Year Annual Research Report
心不全発症における心筋p300/GATA4経路活性化メカニズムの解明
Project/Area Number |
21590944
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
森本 達也 University of Shizuoka, 薬学部, 教授 (50390779)
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Keywords | 心筋細胞肥大 / プロテオミクス / 転写因子 / GATA4 / p300 / ヒストンアセチルトランスフェラーゼ / Cdk9 |
Research Abstract |
増加しつつある虚血性心疾患、高血圧性心疾患の最終像である心不全のより根本的治療を確立するためには、心筋細胞情報伝達の最終到達点である核内の共通経路を標的とした治療法を確立する必要がある。我々は内因性ヒストンアセチル化酵素(HAT)活性を有するp300とGATA転写因子群の協力(p300/GATA経路)が心不全発症における遺伝子発現調節に極めて重要であることを示した。次に、p300/GATA経路の活性制御機構解明の為に、その結合蛋白を網羅的に解析し73個同定した。本研究では、新規p300/GATA4結合蛋白中の1つであるCdk9によるp300/GATA経路活性化機構の詳細な解明を行った。 GST pull-downアッセイにより、Cdk9はGATA4と、さらにはp300と直接結合した。培養心筋細胞を用いた実験で、Cdk9のキナーゼ阻害薬であるDRBは、肥大刺激であるフェニレフリンによるp300のリン酸化およびGATA4のアセチル化の増加を抑制した。さらに、フェニレフリン刺激によるp300/GATA経路の活性化に伴い、GATA4のDNAプロモーターへの結合能、肥大反応遺伝子の転写活性、さらには肥大反応を亢進させるが、DRBはこれらも抑制した。このことより、肥大刺激によるp300/GATA経路の活性にCdk9のキナーゼ活性が必要であり、Cdk9のキナーゼ活性が新規心不全治療のターゲットとなる可能性が示された。
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Research Products
(33 results)