2010 Fiscal Year Annual Research Report
新たな心不全診断・治療を見据えた心不全におけるスプライシング機構の役割解明
Project/Area Number |
21590945
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
朝倉 正紀 独立行政法人国立循環器病研究センター, 臨床研究部, 室長 (80443505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北風 政史 独立行政法人国立循環器研究センター, 臨床研究部, 部長 (20294069)
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Keywords | 循環器・高血圧 / マイクロアレイ / 遺伝子 / 心不全 / スプライシング |
Research Abstract |
遺伝子発現の制御メカニズムとして、スプライシング機構が知られている。スプライシング機構と各種病態が関連することが知られていたが、最近、スプライシングパターンを網羅的に評価できるマイクロアレイ(エクソンアレイ)が開発された。そこで我々は、心不全の病態とスプライシングの関連を検討するため、大動脈縮窄による圧負荷心不全モデルより得られた心筋における遺伝子発現解析をエクソンアレイを用いて解析を試みた。心臓超音波検査にて、心不全になっていることを確認したうえで、心臓よりRNA抽出を行い、Mouse Exon 1.0ST Arrayにより解析した。222710プローブより、エクソンレベルにおける変化を認めた593プローブを同定した。この中より、遺伝発現レベル全体で変化している遺伝子と遺伝子発現レベルは変化していないがスプライシングパターンが変化している遺伝子を検討したところ、ほぼ同数であることが分かった。我々は、従来のマイクロアレイでは同定することができない遺伝子発現レベルでは変化してないがスプライシングパターンが変化している遺伝子に注目して、解析を進めた。公開されている遺伝情報をもとに、約100遺伝子すべてを一つずつ検討し、どのようなスプライシング変化が生じているかを検討した。その結果、5'側や3'側のエクソンが変化する遺伝子のパターンや途中のエクソンが脱落するパターンなど様々なすプラシング変化が明らかとなった。さらに、機能解析をすすめるべくRefSeqに既にスプライシングバリアントとして報告されている遺伝子に絞り込み、3つの遺伝子を同定した。今後、この遺伝子に対して、機能解析を進める予定である。
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