2011 Fiscal Year Annual Research Report
血管病変におけるNotchシグナルの役割の解析と制御による血管病治療の開発
Project/Area Number |
21590950
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹下 享典 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70444403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成 憲武 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30378228)
|
Keywords | 分子血管病態学 |
Research Abstract |
Notchシグナルの生理作用は、発生期の臓器形成における検討で、神経発生、血管新生などの多面的作用で知られる。近年、成体においても神経組織幹細胞の維持に重要であることが発見された。しかし成体の病態におけるNotchシグナルの役割は不明な点が多い。近年我々は虚血肢の血管新生においてもNotch1受容体の活性化が重要であり、これは高脂血症治療薬スタチンで活性化できることを示した(Lab Invest 2011)。しかし、動脈硬化などの血管病におけるNotchシグナルの役割は不明であった。そこで閉塞性動脈硬化症とバージャー病の患者の病理標本において免疫組織染色を行った所、新生血管、平滑筋、炎症細胞にNotch1受容体、リガンドのJagged-1、下流の転写因子Hes-1の発現が多く認められ(Surgery Today 2013)、これらの血管病にNotchシグナルの活性化が関与していると考えられた。Notch1ヘテロ欠損マウス(全身および平滑筋特異的)の頸動脈を結紮して、血管障害による内膜増殖モデルを作製したところ、新生内膜の減少を認めた。新生内膜および培養平滑筋において、Notch1ヘテロ欠損は平滑筋の増殖、遊走能を抑制し、アポトーシス誘導に深く関わっていた(Circulation2010)。さらに動脈硬化モデルであるApolipoproteinEホモ欠損マウスにNotchシグナルを抑制するgamma-secretase阻害薬を投与したところ炎症反応浸潤が抑制され、さらに動脈硬化巣も抑制された(Biochem Biophys Res Commun 2009)。同薬剤を作用させると単離単球においてもICAM-1の発現は低下し、接着・遊走能も減弱した。このようにNotchシグナルは平滑筋、炎症細胞の機能を制御して、血管病の病態に大きく関わり、治療標的となりうると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(15 results)