2010 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧における酸化ストレス亢進に対する生体防御機構の新たな機序解明
Project/Area Number |
21590954
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
梅本 誠治 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (90263772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 耕一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授(特命) (00322248)
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Keywords | hypertension / oxidative stress / superoxide dismutase / Toll-like receptor |
Research Abstract |
Toll-like receptor 4(TLR4)はTLRアダプター蛋白MyD88,アンジオテンシンII(AngII)はAT1受容体を介して,ともにNAD(P)H oxidaseを活性化させてROS産生を亢進させ,血管リモデリングを引き起こす.しかし,血管リモデリングにおけるTLR4とAngIIの関係はいまだ不明な点が多い.そこで我々は,AngII負荷高血圧においてTLR4,酸化ストレスと血管リモデリングの関係を検討した.TLR4 deficientマウスとWTマウスに血圧を同程度に上昇させるAngIIとノルエピネフリン(NE),さらにAngIIに低用量アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を併用投与した.コントロールWTマウスとTLR4 deficientマウスはともに収縮期血圧,・O2-,血管壁内腔比,血管周囲線維化ならびに単位面積当たりの細胞数は同様であった.しかしTLR4 deficientマウスでは,MyD88の発現がWTマウスの50%に低下していたが(P<0.05),TLR4とインターロイキン1関連受容体キナーゼ4はコントロールWTマウスと差がなかった.AngIIは,WTマウスではNAD(P)H oxidase活性を3倍,・O2-含量を10倍にそれぞれ増加させ,MyD88の発現を1.3倍増加させたが(P<0.05)ARBにてその効果は消失した.一方TLR4 deficientマウスでは,これらの指標は変化しなかった.NEはWTマウスとTLR4 deficientマウスともにこれらの指標にほとんど影響を与えなかった. 以上から,MyD88は血管壁においてROSを産生するNAD(P)H oxidaseの調節とAgni負荷高血圧による血管リモデリングに重要であることが示唆された.
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Research Products
(4 results)