2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸結合蛋白の発現調節機構を標的とした病的腎臓由来の新規動脈硬化促進因子の同定
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21590957
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山田 浩之 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00240036)
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Keywords | 動脈硬化 / 慢性腎臓病 / 脂肪組織 / レニン・アンジオテンシン系 / 脂肪酸代謝 |
Research Abstract |
研究の目的:片腎摘出により慢性腎臓病モデルマウスを作製し、動脈硬化形成前の腎臓における遺伝子発現様式をマイクロアレイ解析を用いて網羅的に探索することが可能である。我々は脂質代謝や動脈硬化形成に直接関与している脂肪酸結合蛋白(Fatty-acid-binding protein 4 : FABP4)遺伝子の発現亢進を発見した。その遺伝子発現制御機構を明らかにすると共に、病的腎臓由来の動脈硬化刺激因子を新規発見する。 研究実施計画:apoE-KOマウスの片腎を摘出し、CKDモデルマウスを作製した。CKD群の動脈硬化形成は対照群に比べて有意に進展していた。末梢血単球数および血管組織におけるVCAM-1、ICAM-1の発現は両群間で差を認めなかったが、CKD群では大動脈弓部周囲の脂肪組織量およびアンジオテンシノーゲンの遺伝子発現レベルが対照群に比べて有意に増加していた。一方、精巣周囲脂肪組織重量およびアンジオテンシノーゲン発現レベルは両群間で同等であった。血管周囲脂肪組織は白色脂肪組織とは異なる表現型を示し、血管リモデリングや動脈硬化形成に関与することが最近明らかにされてきた。 片腎摘出マウスにおける血管周囲脂肪組織の分化・増殖およびレニン・アンジオテンシン系の亢進メカニズムについて解析を進める予定である。
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Research Products
(9 results)