2011 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸結合蛋白の発現調節機構を標的とした病的腎臓由来の新規動脈硬化促進因子の同定
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21590957
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山田 浩之 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00240036)
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Keywords | 動脈硬化 / 慢性腎臓病 / 脂肪組織 / レニン・アンジオテンシン系 / 脂肪酸代謝 |
Research Abstract |
研究の目的:片腎摘出により慢性腎臓病モデルマウスを作製し、動脈硬化形成前の腎臓における遺伝子発現様式をマイクロアレイ解析を用いて網羅的に探索することが可能である。我々は脂質代謝や動脈硬化形成に直接関与している脂肪酸結合蛋白(Fatty-acid-binding protein 4:FABP4)遺伝子の発現が残存腎において亢進していることを発見した。その遺伝子発現制御機構を明らかにすると共に、病的腎臓由来の動脈硬化刺激因子を同定する。 研究実施計画:apoE-KOマウスの片腎を摘出し、CKDモデルマウスを作製した。CKD群の動脈硬化形成は対照群に比べて有意に進展していた。末梢血単球数および血管組織におけるVCAM-1、ICAM-1の発現は両群間で差を認めなかった。タンパクレベルにおけるFABP4の発現には差を認めなかったが、CKD群では大動脈周囲脂肪組織におけるアンジオテンシノーゲン(AGT)の遺伝子発現レベルおよび組織アンジオテンシンII濃度が対照群に比べて有意に増加していた。一方、精巣周囲脂肪組織におけるAGT発現レベルは両群間で同等であった。血管周囲脂肪組織は白色脂肪組織とは異なり、褐色脂肪様の表現型を示すが、CKD群における大動脈周囲脂肪組織のレニン・アンジオテンシン(RA)系の亢進メカニズムを解析するうえで、インスリンによるAGTの発現増加に注目した。CKD群ではHOMA-IRの増大とグルコース負荷時における血清インスリン値が対照群に比べて有意に高値であった。血管周囲脂肪組織より採取した成熟脂肪細胞はインスリン刺激後にAGTの発現増加を示し、PI3キナーゼ阻害薬であるWortmanninによってAGTに発現が抑制された。精巣脂肪組織より採取した成熟脂肪細胞ではインスリン刺激後のAGT発現増加は認めなかった。脂肪組織特異的なインスリン刺激によるRA系の賦活化がCKD群における動脈硬化進展機序に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Phenotypic conversion of brown to white perivascular adipose tissue in uninephrectomized apoE deficient mice : Possible role in the early stage of atherosclerosis in chronic kidney disease2011
Author(s)
Kawahito H, Yamada H, Kishida S, Kato T, Irie D, Fukui K, Ikeda K, Okigaki M, Mori M, Matsubara H
Organizer
American Heart Association(米国心臓病学術会議)
Place of Presentation
Orland, USA
Year and Date
20111112-16
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