2009 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中の大気汚染曝露による喘息発症要因の母子間伝達とその制御機構の解明
Project/Area Number |
21590969
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
濱田 薫 Nara Medical University, 医学部, 教授 (80228535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50364063)
須崎 康恵 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30382302)
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Keywords | 気管支喘息 / 大気汚染 / 喫煙 / ホルムアルデヒド |
Research Abstract |
(1) 新しい実験モデルの確立:大気汚染として、妊娠後期の母親マウスに曝露することで、仔マウスが喘息病態を発症し易いかどうかを検討するモデルとしてタバコ煙の溶出液(CSE)のエロソール曝露を用いて、出生3日齢の仔マウス(CSE群)に単回卵白アルブミン(OVA)をアジュバントと共に腹腔内投与。その後(5週齢)1%OVA溶液3日間のエロソール曝露し評価するというマウスモデルを用いたところ、CSE群では著しい喘息病態をきたした。これに加え、新たに4日齢から10日間のOVAエロソール反復曝露により経気道感作を試みたところCSE群では同様にその後の抗原曝露により喘息病態を呈した。しかし、CSEの代わりにホルムアルデヒドを用いた実験では経気道感作は成立せず、抗原の差異や曝露濃度の問題を明らかにするモデルとしても有用なことが示唆された。 (2) 母親への曝露と新生児のサイトカイン:母親へのCSE曝露により2日齢の仔マウスの血清中にL-4, IL-13, IL-23などのいわゆるTh2サイトカインの濃度上昇がみとめられた。またIL-17も著しい上昇がみられた。2日齢の脾細胞のRT-PCR解析でも上記の様なサイトカインのmRNA発現亢進を認めた。 (3) 経気道感作モデルによる免疫状態の経時的観察:CSE群の仔マウスは経気道感作中、抗原チャレンジ後もIL-4は高値で、IL-17は新生児期のみ高く、感作中に低下、IL-12は新生児期には差はなく、感作によりCSE群でむしろ低値であった。以上、大気環境の重要性とその機序の研究中である。
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Research Products
(1 results)