2011 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中の大気汚染曝露による喘息発症要因の母子間伝達とその制御機構の解明
Project/Area Number |
21590969
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
濱田 薫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80228535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 弘 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20195374)
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50364063)
須崎 康恵 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30382302)
|
Keywords | 気管支喘息 / 大気汚染 / 喫煙 / 室内気(indoor-air) / エピジェネティクス |
Research Abstract |
身近な大気汚染粉塵の曝露モデルとして、タバコ煙溶出液のエロソール曝露を、正常妊娠マウス(BALB/c)の出産5、3、1日前に施行、出生した仔マウス(CSE群)に対し、生後3日に卵白アルブミン(OVA,5μg)+alumを腹腔内投与により感作し、その後第12~14日齢ならびに32~34日齢に抗原溶液をエロソール曝露して喘息病態を評価した。正常の無処置母親マウスから生まれた仔マウスは、生後3日の1回のみの抗原感作ではその後の抗原曝露によっても著しい喘息病態を示さないが、CSE群では喘息病態をきたし、妊娠中の母親マウスの喫煙が出生後の仔マウスの喘息感受性を亢進することが示された。その機序に対する検討に際し、投与抗原量を減じることによって特に対照群の結果の変動が縮小し、出生直後の免疫寛容状態をより明らかに示すことができるようになった。この喘息感受性(易感作性・易発症性)は昨年度の報告のようにアジュバントを用いない経気道感作モデルでも確認できるが、気道過敏性の差異に比べる好酸球性炎症の変化は軽微な場合が多く、全身感作モデルとの差異が考えられた。一方、出生後にこの感作されやすい状態が持続するかどうか検討したところ、全身感作のモデルでは成熟後に感作開始しても差異が生じ持続するが、気道感作のモデルでは明らかではなくなっていた。喫煙曝露において、直接曝露を受ける気道や肺の上皮障害はDNAのメチル化を促進すると言われている。臨床的には喘息感受性は母子間伝達され継代されるように思われることも多くこの気道感受性に関るIL-4やIL-13の領域のエピジェネティクス変異について検討する必要があると思われる。
|
Research Products
(1 results)