2009 Fiscal Year Annual Research Report
独自に開発、慢性閉塞性肺疾患発症モデルマウスを用いた疾患病態解明と治療薬の開発
Project/Area Number |
21590974
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石神 昭人 Toho University, 薬学部, 准教授 (50270658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 節子 東邦大学, 東京都健康長寿医療センター研究所, 助手 (30360697)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / ビタミンC / 老化 / COPD / 肺疾患 |
Research Abstract |
[目的]慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙が主な原因とされる肺の生活習慣病である。我々は、ビタミンCを合成できない遺伝子破壊マウス(SMP30/GNLノックアウトマウス)を作製し、長期的なビタミンCの不足が寿命を短縮することを明らかにした。COPD発症要因の1つは肺での酸化ストレスの増加と考えられる。そこで本研究では、SMP30/GNLノックアウトマウスを用いて、ビタミンCの不足が肺に与える影響を詳細に検討した。 [方法]体内でビタミンCを合成できないSMP30/GNLノックアウトマウスをビタミンCを全く含まない餌や飲み水で飼育し、1ヶ月(生後2ヶ月齢)、2ヶ月(生後3ヶ月齢)後に肺の形態学的評価、そして酸化ストレスの程度を測定した。 [結果]ビタミンCが不足したSMP30/GNLノックアウトマウスの肺ではビタミンC投与ノックアウトマウスや野生型マウス群に比べて平均肺胞壁間距離(Im)や肺胞破壊指数(DI)が著しく増大した。また、ビタミンCが不足したSMP30/GNLノックアウトマウスの肺では活性酸素量も増大していた。 [結論]体内でビタミンCを合成できないSMP30/GNLノックアウトマウスを用いて、ビタミンC不足が肺における酸化ストレスの増大や肺胞径、肺胞破壊の増大を招くことが明らかになった。COPD発症要因のひとつは肺での酸化ストレスの増加と考えられることからビタミンCの不足はCOPD発症リスクを高めると考えられる。
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Research Products
(5 results)