2010 Fiscal Year Annual Research Report
泳動パターン解析による糖蛋白腫瘍マーカーの簡便な鑑別診断法の確立
Project/Area Number |
21590981
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 浩昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00261800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 盛男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00143173)
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Keywords | 癌 / 診断 / 糖鎖抗原 / 血清診断 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
1)市販の抗CEA抗体を用いた検討:糖蛋白腫瘍マーカーであるCEAの市販されている3つのモノクロナル抗体を入手し泳動をおこなったが、CEAには免疫染色用の抗体のみ購入可能でウェスタンブロット用の抗体が存在しない為、市販の抗体を用いた泳動は不可能であることが確認された。 2)抗CEAポリクロナル抗体の作製および泳動での反応性の確認:そのため抗原となるCEA(Acris Antibodies GmbH,BA670)を購入し、抗CEAマウスポリクロナル抗体を作製した。方法はCEA抗原100μg/mlを接種し、免疫反応性を確認し血清を回収した。 3)癌細胞の培養:CEA産生ヒト乳癌培養細胞株のMMK-96およびCEA非産生ヒト肺癌細胞株であるTKB-30を入手し、それぞれ培養上清および免疫細胞染色でCEAの発現を確認したところそれぞれCEA産生、非産生が確認された。 4)CEAに関するウェスタンブロット:上記2)で作成した抗体を用い泳動をおこなったところポジティブコントロールである上記抗原における175-150kDのバンドも確認された。さらにCEA産生乳癌細胞株のMMK-96で180kDなどの位置にバンドか確認され、一方CEA非産生ヒト肺癌細胞株であるTKB-30では有意な反応はなくネガティブコントロールの確認も実施した。 5)癌症例血清CEAに関するウェスタンブロット:複数の癌腫症例15例の血清を用いたウェスタンブロットを2)で作成したポリクロナル抗体を用いて実施したところ大腸癌の1例においてCEA抗原を同様の部位である175-150kDのところにバンドが確認された。また200kD以上の大きな分子量の部位にバンドが確認された。 6)癌症例血清CA19-9に関するウェスタンブロット:CA19-9に関しても市販されている3つのモノクロナル抗体を入手し泳動をおこなった。膵臓癌および大腸癌の各1例において通常の泳動で確認される分子量領域にバンドが確認され、またCEA同様200kD以上の大きな分子量の部位にバンドが確認された。より大きな分子量の解析可能なゲルを作成し本研究本来の目的である泳動パターンの解析を実施中であり、結果を当該学会で発表予定である。
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