2011 Fiscal Year Annual Research Report
特発性肺線維症急性増悪特異的自己抗体におけるペプチド・抗体療法の開発
Project/Area Number |
21590982
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
黒須 克志 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20291106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 裕一 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30272321)
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10207061)
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Keywords | 肺線維症 / ELISPOT解析 / 細胞内サイトカインアッセイ |
Research Abstract |
特発性肺線維症急性増悪特異的自己抗原蛋白を用いたELISPOT解析および細胞内サイトカインアッセイにより、抗アネキシン1抗原(N末端エピトープ)やBid抗原は急性増悪症例の末梢血リンパ球のTH2免疫反応を増強していることが確認された。同抗原はアポトーシス細胞食食を抑制し、TH2免疫反応を強める傾向が認められた。急性増悪関連自己抗原蛋白のエピトープを抑制するアナログペプチドおよび同抗原蛋白に特異的に結合するsingle-chain antibodyを複数作製した。これらの付加によって、増強したTH2免疫反応の抑制するアナログペプチドや抗体の同定が可能であった。同ペプチドや抗体の付加によってマクロファージによるアポトーシス細胞の貧食が回復し、すみやかなアポトーシス関連抗原の除去が観察された。急性増悪特異的自己抗原は、免疫反応をTH2の方向にシフトし、線維化を促進する傾向を有していた。肺胞上皮のアポトーシスによりII型肺胞上皮から遊離した急性増悪関連自己抗原は、抗原自体がマクロファージの抗原貧食による除去を抑制し、肺胞腔内に長期間残存することが示唆された。急性増悪関連自己抗原は急性増悪における肺の線維化に重要な役割を果たしており、アナログペプチドやsingle-chain antibodyによる急性増悪関連自己抗原に対する免疫反応の抑制は、特発性肺線維症の急性増悪における有効な治療法になり得る可能性が示唆された。
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