2009 Fiscal Year Annual Research Report
進行期肺癌に対する抗腫瘍免疫再構成を利用した画期的免疫療法の開発
Project/Area Number |
21590984
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡部 聡 Niigata University, 医歯学総合病院, 医員 (50529740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
各務 博 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (30418686)
吉澤 弘久 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (50282984)
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
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Keywords | 抗腫瘍免疫療法 / 抑制性T細胞 / 放射線療法 / 化学療法 |
Research Abstract |
坦癌宿主は免疫抑制状態にあることが知られている。この機序としては、癌細胞から直接、または免疫担当細胞を介して間接的に抑制性サイトカインが分泌され、免疫抑制細胞が誘導されると考えられている。化学療法、放射線療法による免疫抑制細胞の除去は、抗腫瘍免疫療法のコンディショニングとなり得る。 最適な宿主のコンディショニングを行った強力な腫瘍免疫療法の開発のため、平成21年度は 1.化学療法・放射線療法後の坦癌宿主の免疫状態を明らかにすること 2.治療後に誘導される免疫抑制細胞を除去することで、より強力な抗腫瘍エフェクター細胞を誘導可能すること を中心に研究を進めた。1は主に当院に入院した進行期肺癌患者検体、2は主にマウスを用いた。 1.患者の末梢血、血清に含まれるT細胞分画、サイトカインを治療前後で測定し、データベース作成を行っている最中である。 2.化学療法、放射線療法後のマウスでは抑制性T細胞、骨髄系抑性細胞の割合が増加していることを発見した。放射線療法による白血球除去に、抗体による抑制性T細胞の除去を加えることでマウス腫瘍の生長を有意に抑えることができた。このことは化学療法、放射線療法に耐性な免疫抑制細胞が存在すること、それらの除去により抗腫瘍免疫を高めることが出来ることを示している。また、シクロフォスファミドでは抑制性T細胞が、シスプラチンではMyeloid derived suppressor cellsの割合が上昇し易いことも発見し、これは用いる抗癌剤の種類によって、除去すべき免疫抑制細胞が異なることを示唆している。
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Research Products
(1 results)