2011 Fiscal Year Annual Research Report
進行期肺癌に対する抗腫瘍免疫再構成を利用した画期的免疫療法の開発
Project/Area Number |
21590984
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡部 聡 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (50529740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
各務 博 新潟大学, 医歯学系, 講師 (30418686)
吉澤 弘久 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (50282984)
中田 光 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (80207802)
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Keywords | 非特異的肺疾患癌 / 抑制性T細胞 / 化学療法 / MDSC / 腫瘍免疫療法 |
Research Abstract |
殺細胞性治療によるリンパ球減少状態からの回復期には、抗腫瘍エフェクターT細胞がより強力に誘導されることが知られている。これまでの実験系では殺細胞性治療として全身照射を主に用いてきた。進行期肺癌患者への応用を考え、実臨床で使用されているシスプラチン、エトポシド、シクロフォスファミド、フルダラビンについてマウスで検討を行った。 上記抗癌剤はいずれもリンパ球を減らしていたが、特にシクロフォスファミド投与後のリンパ球減少が高度であった。リンパ球減少後の抗腫瘍エフェクターT細胞の誘導について評価する目的で、各種抗がん剤投与後にナイーブT細胞を移入した。シクロフォスファミド投与後にナイーブT細胞を移入したマウスで最も強力なエフェクター細胞が誘導され、腫瘍の成長が抑制されていた。 以前、我々は全身照射後のマウスで照射抵抗性の抑制性T細胞(Treg)が存在し、リンパ球減少状態でのエフェクター誘導を阻害していることを発見し報告した。同様にシクロフォスファミド投与後のマウスにおいても治療抵抗性なTregが存在し、エフェクター細胞の誘導を阻害していることが分かった。シクロフォスファミド治療、ナイーブT細胞の移入、治療抵抗性なTregの除去を組み合わせることにより、進行皮膚腫瘍モデルも治癒可能であった。シクロフォスファミド投与後のマウスでは、myeloid-derived suppressor cells (MDSC)も有意な増加を示しており、抗体を用いたMDSCの除去により抗腫瘍効果を増強できるか検討中である。また、マウスではTregの除去に抗CD25抗体を使用したが、CD25はエフェクターT細胞にも中等度発現しており効率が悪い。抗TGF-β抗体や抗CTLA-4抗体などを用いて、より効率の良いTregの除去についても検討している。
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Research Products
(3 results)