2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮間葉系細胞転換機序を標的とした肺線維症および肺高血圧症の治療戦略の構築
Project/Area Number |
21590987
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
橋本 直純 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30378020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 好規 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20270986)
今泉 和良 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50362257)
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Keywords | 肺線維症 / 血管内皮間葉系細胞転換 / 線維芽細胞 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
Epithelial-Mesenchymal Transition (EMT)という現象は、癌の悪性化の過程だけに認められる現象ではなく、生物学的な発生過程や線維化病変での上皮細胞や血管内皮細胞でも同様の表現型獲得がなされ、線維化病変のさまざまな細胞起源をもつ線維芽細胞を担うことが実験モデルで示されている。今回我々は、Cre-loxP systemを用いて血管内皮細胞特異的LacZ発現マウスを作成し、血管内皮間葉系細胞転換(Endothelial-MT)を介した血管内皮由来肺線維芽細胞の存在を明らかにして、2009年にAm J Respir Cell Mol Biolに報告した(2010 Vol.43 p161)。Endothelial-MTの過程の中で、有意な発現誘導を認めたEMT関連遺伝子の存在を確認した。EMT関連遺伝子の中でtwistに注目してtwistの発現ベクターを作成して、肺癌細胞株への強制発現を行い、EMT誘導効果を検討した。Twistの強制発現によりEMTの表現型獲得が確認でき、その細胞の遊走能の亢進も確認できた。controlベクターを発現させた細胞株とtwistを発現させた細胞株の特徴的な表現型とそれをMesenchymal-Epithelial Transition (MET)をもたらす標的分子の同定を試み論文投稿中である。ここでEMTを制御する可能性のある遺伝子移入を行い、EMTの制御をもたらすかどうかを評価している。また、低酸素状態刺激によるEMT誘導への影響を合わせて検討している。
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Research Products
(6 results)