2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌予後診断マーカー探索と個別化医療へのゲノムワイドなアプローチ
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21591001
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小山 信之 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30353460)
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Keywords | EZH2 / 非小細胞肺癌 / 予後予測因子 / CHIP-on-chip / 転移 / 浸潤 / siRNA |
Research Abstract |
前年度研究にて、I期非小細胞肺癌においてEZH2非発現群で有意に予後の延長がみられたようにEZH2発現と生存期間との相関が発見され、EZH2発現が予後予測因子となる可能性が示された。またEZH2発現肺腺癌細胞株に対してEZH2siRNAを用いたEZH2発現抑制を行うことで、細胞増殖抑制をきたすことも確認した。 さらにその後、カプランマイヤー生存曲線およびログランクテスト、COX比例ハザードモデル等統計解析をあらためて確認する一方、細胞株に対する解析は、複数の肺癌細胞株で同様の結果が得られ、普遍性があることを検証できたために、論文を作成して現在投稿査読中となっている。 次の段階として、非小細胞肺癌分子病態に対するEZH2の関与を更に解明するため、EZH2によって発現制御を受けることで肺癌細胞増殖を抑制する遺伝子群同定を試みることとした。中でも転移、浸潤等を密接に関与する遺伝子群同定を主たる目的とした。EZH2抗体とtilling arrayを用いたChIP-on-chip導入によりゲノムワイドな解析を可能とするため、準備としてSq-1、 PC-3、 A549等比較的EZH2を高発現している肺癌細胞株および抗ヒトEZH2マウスモノクローナル抗体を用いてChIP解析を開始した。現在は各細胞株から抽出した蛋白質とEZH2抗体によるChlP解析を行い、手技的に確立させるとともに、EZH2と直接相互作用する蛋白質の同定を試みている。
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