2009 Fiscal Year Annual Research Report
びまん性肺疾患のパラフィン包埋検体を用いたプロテオミクス解析
Project/Area Number |
21591005
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
林 伸一 Nihon University, 医学部, 助教 (20445745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 朋子 日本大学, 医学部, 助教 (10343576)
権 寧博 日本大学, 医学部, 准教授 (80339316)
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Keywords | 肺線維症 / プロテオミクス / レーザーマイクロダイセクション |
Research Abstract |
本研究では、びまん性肺疾患の病変組織をレーザーマイクロダイセクション(LMD)で切り出した後、プロテオミクス解析とTissue microarray(TMA)による解析を行い、病変部位の蛋白質発現の網羅的解析と、そのデータをもとにした、びまん性肺疾患病変部位の蛋白質の相互作用ネットワークを明らかにすることを目的としている。平成21年度は実験系の確立を目指して研究を行った。本研究では、非常に沢山の検体が有用であるパラフィン包埋検体を用いて研究を予定していた。実際、LMDにて、間質性肺炎における線維化部分の切り出しは可能であり。10切片から、いくつかの病変部位を切り出し、トリプシン処理後にLC-MSによる解析を行った。しかしながら、現段階では、アルブミン、IgG、ケラチンなどメジャープロテインか、コンタミネーションと思われる蛋白質しか同定できていない。原因として、まずLMDで切り出す検体の絶対的蛋白質量が不足していること、そして脱パラフィンの過程などに問題がある可能性がある。これらの問題は当初より予測されていたことであり、対処方法として、パラフィン切片の処理方法の工夫と、凍結切片を用いたLMDとの比較を行っている。またメジャープロテインに関しては研代表者が以前BAL検体をDIGEで解析するときに用いた手法(カラムを用いて選択的蛋白除去をおこなう)で解決する予定である。本研究で用いる手法は、従来行われていない方法であるため、当初より困難が予想されていたが、一度実験系が確立されれば、病態に迫る様々な情報が得られる可能性があり、現在計画より遅れているが、平成22年度も引き続き改良を重ねていく。
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