2011 Fiscal Year Annual Research Report
びまん性肺疾患のパラフィン包埋検体を用いたプロテオミクス解析
Project/Area Number |
21591005
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
林 伸一 日本大学, 医学部, 助教 (20445745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 朋子 日本大学, 医学部, 助教 (10343576)
権 寧博 日本大学, 医学部, 准教授 (80339316)
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Keywords | 肺線維症 / プロテオミクス / レーザーマイクロダイセクション |
Research Abstract |
本研究では、びまん性肺疾患の病変組織をレーザーマイクロダイセクション(LMD)で切り出した後、プロテオミクス解析とTissue microarray(TMA)による解析を行い、病変部位の蛋白質発現の網羅的解析と、そのデータをもとにした、びまん性肺疾患病変部位の蛋白質の相互作用ネットワークを明らかにすることを目的としている。平成22年度までに、パラフィン包埋組織切片だけからトリプシン処理後にLC-MSで行った検討では、ケラチンとアルブミンしか同定することが出来なかった。本来であれば定量性のある検討を行う予定であったが、まず定性的に蛋白質が検出できるように、複数の切片からの検体をまとめて処理をする、また凍結切片からの検体も検討する。ケラチンの混入を防ぐ環境を作る。などの検討を行ってきたが、満足なデータは得られていないのが現状である。LMDで得られた検体は、通常mRNAを抽出してRT-PCRなどの非常に感度の高い方法で検索されることが多いが、今回の研究では、研究担当者のプロテオミクス研究の経験を生かして、微量のサンプルでも網羅的解析ができるのではないかと挑戦したが、技術的に困難な点が多かった。肺癌などの組織のLMDからプロテオミクス解析を行った報告は幾つかあるため、本研究も充分実施可能かと考えられたが、その違いは不明である。蛋白質発現を網羅的にネットワーク解析する観点は、びまん性肺疾患の病態を明らかにする手法として有用であると考えられるので、LMDなどによる組織選択性に拘らずに、まずは組織ホモジネートの解析などを先行すべきであった。
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