2009 Fiscal Year Annual Research Report
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤獲得耐性の分子メカニズムに基づいた耐性克服研究
Project/Area Number |
21591011
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
岡本 勇 Kinki University, 医学部, 准教授 (10411597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 和彦 近畿大学, 医学部, 教授 (40298964)
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
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Keywords | 非閉塞性肺疾患 / 肺線維症 / 呼吸器感染症 / 癌 |
Research Abstract |
EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺癌症例においてゲフィチニブをはじめとするEGFRチロシンキナーゼ阻害剤が高い効果を示すことが見出され、この患者群に大きな恩恵をもたらした。一方で一旦はゲフィチニブが奏効しても、EGFR-T790M遺伝子変異出現やMET遺伝子増幅により耐性獲得が生じ、治療に不応となることが臨床上大きな問題となっており、耐性後の治療戦略開発は急務である。我々はゲフィチニブ耐性株として樹立されたMET遺伝子増幅非小細胞肺癌株(HCC827GR細胞)において、Srcキナーゼがその親株と比較して有意に活性が上昇している事を見出した。Src阻害薬として臨床導入されているダサチニブを用いることによりMET増幅非小細胞肺癌株におけるAkt、Erk等の生存シグナルが抑制され、アポトーシスが誘導されることを示した。in vitroにおける細胞増殖実験ではダサチニブ単剤にてゲフィチニブとMET阻害剤との併用療法と同様の抗腫瘍効果が観察された。さらにMET遺伝子増幅非小細胞肺癌株を用いたヌードマウスへの皮下移植モデルにおいてもダサチニブの経口投与により腫瘍増殖が効果的に抑制される事が示された(Cancer Science 2010 January ; 101(1) : 167-172)。これらの結果はSrcキナーゼの阻害がEGFRチロシンキナーゼ阻害薬に対する獲得耐性を克服するための有用なターゲットとなり得る事を示唆した。
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Research Products
(22 results)