2009 Fiscal Year Annual Research Report
シスプラチン誘発ラット急性腎不全モデルに対する脂肪酸乳剤の効果に関する研究
Project/Area Number |
21591015
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中村 典雄 Hirosaki University, 医学部附属病院, 講師 (60332657)
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Keywords | 急性腎不全 / エイコサペンタエン酸 / シスプラチン / 脂肪酸分析 / 脂肪酸乳剤 |
Research Abstract |
本年度はシスピラチン誘発ラット急性腎不全モデルの作製とエイコサペンタエン酸(EPA)の脂肪酸乳剤の準備、予備実験を行った。 急性腎不全モデルは、シスプラチンの投与量を2.5mg/kg,5.0mg/kg,7.5mg/kgとして検討、また投与法も静注と腹腔内投与と二通りで検討した。この結果、投与量は5.0mg/kgが最も適当であり、それ以下では安定して急性腎不全を発症せず、またそれ以上では死亡例もみられることが明らかとなった。また静注法がより確実に急性腎不全を発症することが明らかとなった。 脂肪酸乳剤の準備は、研究実施計画に記載したとおり、EPAを抽出し、それをグリセオールと反応させてEPA-TGを生成した。これらを卵黄レシチン、αトコフェロールとともに乳化して、EPA-TG乳剤を作製した。 6週齢(体重約200g)の雄のSDラット12匹を、EPA群、ダイズ油群、生食群に分け、EPA群には2mL(10mL/kg)のEPA乳剤を、ダイズ油群にはEPA乳剤と同様の方法で作製したダイズ油乳剤を2mL(10mL/kg)、生食群には生理的食塩水を2mL(10mL/kg)腹腔内に投与した。24時間後5mg/kgのシスプラチンを静注し、引き続きEPA乳剤、ダイズ油乳剤、生理的食塩水を連日5日間投与した。代謝ケージで飼育して蓄尿し尿を採取した。また5日後に屠殺して採血および腎を採取した。その結果、EPA群で血中クレアチニン値が低値傾向を示しており、EPA乳剤のシスプラチン誘発急性腎不全の予防効果の可能性が示唆された。今後、数を増やして検討すること、腎組織の変化についても検討を加えていく予定である。また血漿および腎組織の脂肪酸分析も行う予定である。
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Research Products
(4 results)