2010 Fiscal Year Annual Research Report
心腎相関における治療ターゲットとしての平滑筋カルポニンの意義についての研究
Project/Area Number |
21591041
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉村 吾志夫 昭和大学, 医学部, 教授 (50211660)
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Keywords | CKD / CVD / カルポニン / 心腎連関 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
慢性腎臓病(CKD)では高率に心血管疾患(CVD)を合併する。本研究は平滑筋関連蛋白であるカルポニンのサブタイプの1つである中性カルポニン(nCT)の誘導を介して、CKD, CVDの双方の同時治療が可能か否かを検討する。nCTのトランスジェニックマウス(nCT-Tg)は作成済みである。当初予定していたアドリアマイシン腎症はこのマウスでは死亡率が高く解析が困難であった。また、マウスの動脈の内皮細胞障害の施行後での死亡率の高さや高脂肪食摂取が不良なことから、対象モデルを以下の2つにしぼって実験を遂行中である。すなわち、実験的な糖尿病と腎線維化のモデルである一側尿管結紮モデルを惹起し、心および腎の障害を評価する実験が進行中である。nCTが直接的に糖尿病自体に影響する可能性は否定的であるが、糖尿病による腎の間質障害、特に線維化の進行の軽減作用は期待できる結果を得た。抗線維化作用を明白にするために、このモデルである一側尿管結紮モデルをnCTに惹起させ検討している。両モデルにおいても心臓の線維化制御についても検討する。nCT-Tgにおいて腎および心の線維化の進行抑制を証明することによって、nCTの抗線維化作用が明らかにでき、これはnCT誘導が心・腎連関に対する有力な治療因子の1つとなりうることの基礎となりうるものと考えている。
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Research Products
(1 results)