2010 Fiscal Year Annual Research Report
間欠的虚血ストレスの糖尿病性腎症進行への影響と脂肪酸結合蛋白の役割
Project/Area Number |
21591043
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
木村 健二郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00161555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池森 敦子 (上條 敦子) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80350635)
菅谷 健 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 客員教授 (40381561)
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Keywords | 間欠的虚血ストレス / 高血圧 / 腎臓 / 糖尿病性腎症 / 尿蛋白 |
Research Abstract |
糖尿病患者では、非糖尿病に比較して睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome, SAS)を合併しやすいことが知られている。SASは糖尿病を悪化させることに加え、交感神経を興奮させ、夜間高血圧を惹起することにより、糖尿病性腎症を進行させる可能性がある。しかし、基礎実験により、高血圧がSASを悪化し、腎障害を進行させることは明らかにされていない。そこで今年度は、SASに伴う高血圧が腎障害を進行させることを明らかにする。 方法:4週齢雌のWisterラット(n=12)を用いた。右腎臓を摘出し、その1週間後より高食塩の食事(7%Nacl)を与え、低酸素刺激を行う群とコントロール群の2群に分けた。低酸素刺激を行う群では、一日12時間、10分間ごとに10%の酸素濃度になるように設定されたOxycycler^[○!R]内に4週間入れ、その後腎摘を行った。コントロール群は、Oxycycler^[○!R]に入れず、通常の飼育環境に4週間おいた後、腎摘を行った、腎臓摘出時に血圧、血糖、尿蛋白の測定を行った。4週間後に摘出された腎臓から遺伝子・蛋白抽出を行い、炎症性サイトカインの発現を検討した。また、HE染色/PAS染色を行い、形態学的検討を行った。 結果:血圧は、低酸素刺激を行った群で有意に高値であった。血糖は、両群で同程度であった。尿蛋白排泄は、低酸素刺激を行った群ではコントロール群に比べ、有意に低値(10mg/g.cre vs 25mg/g.cre)であった。形態学的検討では、両群で皮髄境界部に尿細管間質障害を認めたが、その程度は有意ではないものの、低酸素刺激を行った群に比べ、コントロール群で強い傾向であった。炎症性サイトカインの産生は認められなかった。 考察:今回の検討では、低酸素刺激を行った群では、コントロール群に比べ血圧の上昇は認められたが、尿細管間質障害の程度はむしろ軽減していた。基礎実験では、SASによる高血圧が直接腎障害の進行に関与していることは証明できなかった。
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