2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591054
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 正司 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 寄附講座講師 (20303638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 恭彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座教授 (60402632)
松尾 清一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70190410)
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Keywords | 人工透析学 / 腹膜透析 / 補体活性化 / 補体制御 / 腹膜障害 |
Research Abstract |
1.Zymosanにより誘導される腹膜炎モデルにより、真菌性PD腹膜炎が他の感染性PD腹膜炎より予後が悪いのか、障害腹膜への補体の関与について、また膜制御因子(CRegs)発現障害の関与の可能性について、論文発表(J. Immunol. 2009)を行った。腹膜透析液の暴露下で、補体活性化による腹膜障害について、このCRegの重要性を調べたところ、4つのCReg(Crry, CD46, CD55, CD59)の中で、CrryとCD59の組み合わせが腹膜の補体活性化を適度に保つために非常に重要であることを、RatのCReg分子に対する機能中和抗体を用いて証明した(Complement in human diseases, 2009で発表)。さらにRat腹膜中皮細胞(primary culture)を用いて、CrryとCD59の組み合わせの重要を追証した。現在、腹膜透析液の違いによる補体活性化に対する影響(pH, glucose等)を、動物および細胞実験で検討を進めている。 2.慢性の腹膜炎症時に、過剰な補体活性化・制御因子機能の異常により、炎症増強(被嚢性腹膜硬化症(EPS)のきっかけ)に繋がる可能性について、先のZymosan腹膜炎モデルで慢性炎症を起こしている腹膜のCrryとCD59の共同抑制を行うことにより、EPS像に近似した腹膜表面の炎症細胞の集積を伴うfibrin析出の惹起を観察した。さらに検討を進めている。 炎症初期の補体制御の有効性については先の研究で明らかにしたが、正常腹膜における補体の役割、特にCRegの役割を明らかにし、さらに、腹膜の慢性炎症時に生じ得る、制御を失った補体活性化による腹膜障害を調べることは、抗補体療法による慢性炎症進展・EPS抑制につながる可能性がある。ヒト腹膜炎でについても研究を進めていき、ヒト、動物実験、細胞実験の結果から総合的に考えていきたい。
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Research Products
(9 results)