2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタシンの生理的役割の検討及び情報伝達経路の解明
Project/Area Number |
21591056
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白石 直樹 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 特任助教 (40423660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 公夫 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (40114772)
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 生理活性 |
Research Abstract |
私たちは、プロスタシンの高血圧、組織障害に関する研究を続けているが、以前プロスタシンが腎尿細管に存在する上皮型Naチャネル、ENaCを活性化し、血圧調節に関与する可能性を報告した。これに加え、アデノウイルスベクターを用いてラットにプロスタシン遺伝子を導入した実験より、プロスタシンはアルドステロン濃度を上昇させることによっても血圧を上昇させる可能性が示唆された。プロスタシンは一本鎖の非活性型で産生され、途中で切断されて軽鎖と重鎖に分離後S-S結合にて結合し、活性型となるが、私たちはプロスタシンcDNAの切断部位にエンテロキナーゼ切断部位を組み込み、蚕のsf9細胞を使用して、活性型リコンビナントプロスタシンを作成した。また、プロスタシンの活性中心であるHis、Ser、Asp残基をAlaに置換したprotease-deadリコンビナントプロスタシンも作成し、両者を精製した。そしてプロスタシンのアルドステロン産生誘導の可能性を確かめるべく、ヒト副腎腺腫細胞H295R細胞に、アルドステロン産生酵素であるCYP11B2のpromoter-luciferase constructをtrallsfectionし、プロスタシンを添加したところ、濃度依存性にluciferase活性が上昇し、また上清中のアルドステロン濃度も増加することが判明した。この効果は、protease-deadプロスタシンにても同様に観察され、またプロテアーゼ阻害薬にて阻害されず、プロスタシンによるアルドステロン誘導作用は、そのプロテアーゼ活性に非依存的なものと考えられた。現在その情報伝達経路について検討中である。
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Research Products
(3 results)