2010 Fiscal Year Annual Research Report
各種アンジオテンシンII1型受容体ブロッカーの特性を生かした新たな創薬へ向けて
Project/Area Number |
21591065
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三浦 伸一郎 福岡大学, 医学部, 准教授 (20343709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
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Keywords | ドラックエフェクト / クラスエフェクト / イノシトールリン酸産生能 / 細胞外シグナル調節キナーゼ活性 / 洗い流し試験 |
Research Abstract |
現在、日本においてアンジオテンシンII受容体ブロッカー(ARB)は、6種類が発売されているが、すべてのARBに共通した効果としてクラスエフェクトが存在し、それぞれのARBが固有に持つドラッグエフェクトの存在が注目されている。昨年まで、この6種類のARBを全く同じ実験系で基礎的データを集積しつつ、まず、イルベサルタンとロサルタンの違いを報告した。本年度は、カンデサルタンと他のARBを比較し、その中でカンデサルタンの特徴を検討した。まず、洗い流し試験では、AT1受容体を発現している細胞膜に各ARBを結合させた後、リン酸バッファーで洗い流し、どれくらいのARBがAT1受容体へ結合したままの状態であるかを測定した。それによると、カンデサルタンが洗い流した後、最もAT1受容体へ結合した状態であった。さらに、AT1受容体を発現している細胞に各ARBを結合させた後、リン酸バッファーで1回洗い流し、アンジオテンシンIIを加えて、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)活性とイノシトールリン酸(IP)産生能を測定した。この結果でも、カンデサルタンが最もERK活性とIP産生能を抑制した。したがって、ARBの中でカンデサルタンの特徴は、最も洗い流しに対して耐性のあるARBであることがわかった。このような違いが基礎的には一つのARBが固有に持つドラッグエフェクトといえる。さらに、このことが臨床的にどのように有用であるかについては検討が必要である。
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Research Products
(6 results)