2010 Fiscal Year Annual Research Report
孤発性筋萎縮側索硬化症における運動ニューロン死へのRNA編集酵素と多因子の関与
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21591071
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
詫間 浩 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00326258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉岡 晃 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50192183)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / RNA編集 / TDP-43 / ADAR2 / ウイルスベクター / 電気穿孔法 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)における細胞死発現のモデル系を構築することにより、「TDP-43をはじめとする他の因子」が複合的にADAR2を介した運動ニューロン死に関与するのかについて検討する。平成21年度はin vitro系においてADAR2とTDP-43との相互作用の検討を行うために、アデノウイルスベクターを開発した。平成22年度においては、初代培養系を用い相互作用の検討を行う予定であったが、マウスin vivoにおける長期変化を観察する重要性を考え、胎仔脳への電気穿孔法による遺伝子導入法の開発を先行した。まずCAGプロモータを有するベクター(pCX-EGFP)を用い、FLAG、mycタグを付加した野生型TDP-43遺伝子と変異型TDP-43(M337V、A315T)遺伝子を組み込んだプラスミドを作成した。本プラスミドをE12.5ICRマウス胎仔側脳室に注入し、電気穿孔法により大脳皮質ニューロンにTDP-43遺伝子を導入することに成功した。遺伝子導入されたニューロンは、同時に注入されたEGFP遺伝子の発現、もしくはFLAG、mycタグの発現により同定した。変異型遺伝子の導入により、生後早期に皮質ニューロン死が起きている可能性があり、現在アポトーシスなどの各種マーカー、細胞数により定量的に検討中である。 本法は遺伝子組換え動物作成などに比較しはるかに短い時間で簡便に行える。今年度の結果により、基本的な手技は確立されており、様々な遺伝子の作用を検討できる可能性が示された。今後は長期、生体内における変異遺伝子の効果を観察するため、遺伝子導入後3-6ヶ月程度において、脳組織の検討を行ない、封入体形成、グリア細胞の変化などの観察を行う予定である。
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