2009 Fiscal Year Annual Research Report
Lewy小体のコアを構成するSynphilin-1の分解および凝集機構の解析
Project/Area Number |
21591085
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 哲也 Hiroshima University, 病院, 講師 (00435942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 昌泰 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20192346)
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経科学 / たんぱく質 |
Research Abstract |
2009年度はユビキチン・プロテアソーム系およびオートファジー・リソソーム系のうち、後者のオートファジー・リソソーム系を中心に解析を行った。特にリソソームへ至る経路の一つであるESCRT(Endosomal sorting complex required for transport)パスウェイについて検討した。ESCRTパスウェイには数十種類の蛋白が関与することが明らかにされているが、このうちCHMP2B蛋白が筋萎縮性側索硬化症の前角の新規病変、アルツハイマー病の顆粒空胞変性を特異的に染色することを見いだし報告した。今回タウ蛋白が蓄積し変性した細胞に高率に見いだされる変化である事を、CHMP2Bをマーカーとして明らかにした。アルツハイマー病以外にもタウ蛋白の異常蓄積が関与する疾患で顆粒空胞変性が確認されるなど、顆粒空胞変性は同定が困難な病理学的変化であるが、マーカーを見いだす事により同定が容易となり新たな知見がえられた。またESCRT系はリソソームに至る経路の他にエクソソームとして細胞外に分泌される経路を形成している。われわれは神経変性疾患患者の髄液のエクソソーム分画を超遠心にて分離し、ウェスタンブロットにてCHMP2Bの他エクソソームのマーカーAlixやTSG101が陽性である事を見いだしている。このことは変性疾患において不溶化した蛋白の細胞内における経路が分解系のみではなく細胞外分泌系にも存在する可能性を初めて示したものである。
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Research Products
(5 results)