2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン脱アセチル化酵素SIRTの神経変性疾患の病態生理における機能解析
Project/Area Number |
21591096
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
久原 真 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80336403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下濱 俊 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60235687)
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Keywords | ヒストン脱アセチル化酵素 / SIRTファミリー / パーキンソン病 / 酸化ストレス / 細胞死 |
Research Abstract |
神経系細胞におけるストレス負荷に対するSIRTの関与の検討 これまでSIRTファミリー、特にSIRT1は未分化神経系細胞の分化に非常に大きな役割を果たし、神経細胞への分化を正に制御する可能性を指摘した。一方SIRTは細胞の維持・生存にも関与する分子であることが知られていることから細胞組織に対する病的条件負荷においても一定の作用を果たしていることが予想された。 そこで神経系株細胞PC12ならびにSHSY5YにSIRT1を活性化するResveratrolを添加した。本化合物は一種のポリフェノールで抗酸化作用が高いとされているが、一定程度以上の濃度を負荷すると却って細胞死を誘発する可能性が高いことを見出した。酸化ストレスとして過酸化水素水ならびに 6-hydroxydopamine(6-OHDA)といった細胞毒を投与し、至適濃度のresveratrol添加で細胞死を抑制できるかtrypan-blue染色やLDH assayにて評価した。その結果著明な細胞死抑制効果を認めた。また電気穿孔法を用いてSIRTIを過剰発現させた細胞に対しても同様の細胞毒を負荷したところほぼ同様の細胞死抑制効果を認めた。さらにこの条件下でresveratro1の同時添加にて相乗効果的な細胞保護の結果を得た。但し、この効果は細胞死刺激が過酸化水素水の場合に著明であり6-OHDAに対しては予想より低い結果であった。これは非常に興味深く重要な結果と考えておりそれぞれの細胞毒の下流で作用する分子メカニズムに微妙な差異がありそこにSIRTが作用している可能性を示唆している。今後はこの研究を進め、より詳細な分子メカニズムの解明を試みる。
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[Journal Article] Relationship between dysphagia and depressive states in patients with Parkinson's disease2011
Author(s)
Meng Han, Hirofumi Ohnishi, Michio Nonaka, Rika Yamauchi, Takayoshi Hozuki, Takashi Hayashi, Masaki Saitoh, Shin Hisehara, Tomihiro Imai, Shun Shimohama, Mitsuru Mori
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Journal Title
Parkinson's Disease & Related Disorders
Volume: (In press)
Peer Reviewed
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