2010 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化TDP―43の測定系の確立と免疫電顕による細胞内局在の検討
Project/Area Number |
21591108
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
藤田 行雄 群馬大学, 医学部, 助教 (70420172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 幸市 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00124652)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / TDP-43 / FUS / 家族性筋萎縮性側索硬化症 / 遺伝子変異 / 神経病理 |
Research Abstract |
1. 新規のTARDBP遺伝子変異(A315E)を有する家族性ALSの一家系を見いだした.本家系中4例にALS症状が認められ,内2例ではパーキンソニズムを合併していた.また,2例の剖検所見では脊髄前角細胞など運動神経細胞の脱落とTDP-43陽性の細胞質内・グリア細胞内の封入体を広範囲に認める点は共通した病理所見であったが,内1例では後索病変を合併し,もう1例では著明な黒質病変が認められた.同一家系内で同じTARDBP遺伝子変異を有していてもその臨床症状,病理所見に差異があることはこれまで報告がなく,現在論文投稿中である. 2. 家族性ALSの遺伝子異常の一つとしてfused in sarcoma (FUS)が同定され,FUS遺伝子変異を有するALSでは神経細胞,グリア細胞に抗FUS抗体陽性の封入体を認めることが報告された.一般にFUS陽性封入体を有するALSは若年発症であることが多いが,我々は,FUS遺伝子変異のない高齢発症のALS患者で多数のFUS陽性の封入体を認める例を報告した.この例では臨床的には古典的ALSとの違いはほとんどなく,病理学的検索によってはじめてFUS関連ALSと診断された.FUS遺伝子変異のない高齢発症のALSにおいてFUS陽性封入体が認められた報告は極めてまれである.このことは臨床的に古典的ALSと考えられる例でもその病因となる蛋白は異なることがあり,今後の原因蛋白をターゲットとする治療を考えていく上で貴重な報告と考えている.また,本例ではHE染色で多数の好塩基性封入体が認められており,FUSと好塩基性封入体形成の関連について今後さらに検討が必要であると考えている.
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[Journal Article] A Japanese ALS6 family with mutation R521C in the FUS/TLS gene : a clinical, pathological and genetic report2010
Author(s)
Yamamoto-Watanabe Y, Watanabe M, Okamoto K, Fujita Y, Jackson M, Ikeda M, Nakazato Y, Ikeda Y, Matsubara E, Kawarabayashi T, Shoji M
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Journal Title
J Neurol Sci
Volume: 296
Pages: 59-63
Peer Reviewed
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