2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591111
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡辺 宏久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 瑞規 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50437042)
祖父江 元 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20148315)
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Keywords | パーキンソン病 / 幻視 / 視覚認知 / 脳画像 / 事象関連電位 |
Research Abstract |
パーキンソン病(PD)患者では30%程度に幻視が出現し、QOLや予後と密接に関連しているが、その病待機所は十分に解明されていない。そこで各種高次脳機能検査、MRI Vbxel based morphometry (VBM)、酸化ストレスマーカーなどを用いて幻視の発現に関与する病態の探索を行った.方法としては、幻視の質問紙Tottori University Hallucination RatingScale(TUHARS)にて幻視の程度を評価し,視覚認知検査Test of Visual Perceptual skills (TVPS)にて視機能評価を行い、それらと脳MRIの関連や尿中8-OHdGとの関係を調べた。PD患者では幻覚の有無に関わらず、視覚能力の低下を認めたが、特に識別、図の認識といった要素において機能低下を認めた。また幻覚を有する群では幻覚を有さない群に比較して、空間関係、単一図形の記憶が顕著に低下していた。VBMでは、VH群で後頭葉を含む広範な大脳皮質やマイネルト基底核近傍の萎縮が検出された。 またPD患者では尿中8-OHdGが上昇し、その程度がTUHARSの点数と相関することを見出した。8-OHdGと TUHARSを用いて、いずれも高値である群と、いずれも低値である群を比較した場合、高値を認める群では左下側頭回、左前頭葉前頭極、左前頭葉前頭前野背外側部に萎縮を認めた。以上の所見から視覚情報の低次処理過程機能低下と前頭葉、側頭葉、後頭葉などにおける高次視覚認知過程の機能低下が関連して幻視は発現することが推定された。現在、視覚処理過程における異常について、視覚刺激に対する脳波上の誘発電位変化を測定し、解析に努めている。
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Research Products
(4 results)