2011 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病の治療薬としてのゾニサミドの作用機序の解析
Project/Area Number |
21591118
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
三輪 英人 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50231626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 一郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40364088)
近藤 智善 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50103891)
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Keywords | ゾニサミド / ドパミン / パーキンソン病 / T型カルシウムチャンネル / ハルマリン |
Research Abstract |
われわれは、これまでの基礎実験データおよびパーキンソン病患者におけるゾニサミドの効果に対する臨床的観察から、ゾニサミドの振戦に対する抑制作用(抗振戦作用)の機序として、そのT型カルシウムチャンネルに対する拮抗作用ではないか、という仮説を立ててきた。T型カルシウムチャンネルは、その薬理学的性質から神経細胞の律動的な興奮に関与し得ることが明らかにされているので、ゾニサミドの振戦抑制作用との病態的関連性が示唆されるからである。これまでの成果を踏まえ、本年度では、様々なT型カルシウムチャンネル阻害薬のうち、中枢神経系に意向し得るもの、すなわち血液脳関門を通過し得る薬剤が抗振戦作用を発揮できる可能性があると考えた。この考えから、中枢におけるT型カルシウムチャンネルが、新しい抗振戦薬を開発するための、新しい治療ターゲットとなり得るという仮説を提唱し、論文として発表した(Cerebellum誌)。 また、われわれは、ゾニサミドを含むT型カルシウムチャンネル阻害薬が神経保護作用を有する可能性についても引き続き検討を継続している。予備実験であるが、ハルマリンにより振戦が惹起されたラットの小脳プルキンエ細胞は変性することがわかっているが、ゾニサミドの投与により、そのプルキンエ細胞変性が抑制されえることを示唆される結果を得ている。今後、追加実験を行い、論文として発表する予定である。
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