2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の発症、経過における閉塞型睡眠時無呼吸症候群の関与
Project/Area Number |
21591120
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
塩田 智美 順天堂大学, 医学部, 助教 (70449073)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 秀樹 北里大学, 神経内科, 教授 (90230044)
篠原 光代 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00301507)
|
Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / アルツハイマー病 / 間欠的低酸素 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(Alzheimer's disease:以下AD)を含む認知症は近年、神経変性疾患の第1位でありその根本的治療は急務を要する。ADは病理学的には大脳皮質の老人斑(βアミロイドの沈着)の沈着ととともに、脳組織の萎縮が認められ、特に海馬は他部位と比較して早期から萎縮が目立ち、海馬の神経細胞脱落により再生能力低下が生じ、臨床的には海馬の主たる機能である記銘力障害を導く。 過去の報告から、ADとOSASの各々の発症や経過において、相互の密接な関係が示唆される。しかしながら、両疾患がどのように関与しているのかを具体的に臨床検討した論文はない。本研究は、ADの重症度や進行速度にOSASがどのように関与しているかを検証することを目的とした。 アルツハイマー病と睡眠時無呼吸症候群という、その有病率や潜在患者の多さ、さらには高齢化社会にむかう本国において、社会的にも病態解明や予防が急務とされている2大疾患の関係を検討するべき意義のある研究である。 動物実験について、睡眠時無呼吸症候群条件の暴露装置が完成し飼育を開始した。閉鎖式飼育ラック内に、窒素と空気を流量制御により間歇的低酸素状態を誘導した。具体的には、3サイクル(10分低酸素、10分大気)下で日に8時間暴露の条件で作成した。飼育ラック内の酸素濃度は、持続酸素濃度計でモニター、記録した。アルツハイマー病の疾患モデルラットを一定期間睡眠時無呼吸症候群条件で飼育したのちに、認知機能を評価し、血中、剖検脳のたんぱくを測定した。同様の実験、評価、測定をコントロールマウスでも行い検討中である 一度に飼育できるマウスの数が限られているため、現在飼育数を蓄積中であるが、一定数の評価においては、ELISAで検出した一部のタンパクでコントロールと比べた変化を認めた。今後はさらに飼育数を増やし、最終年度内に実験の完遂、データのまとめを行っていく。
|