2010 Fiscal Year Annual Research Report
相互作用解析と発現解析による2型糖尿病遺伝素因の解明
Project/Area Number |
21591124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 一雄 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50359600)
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Keywords | 脂肪細胞 / インスリン抵抗性 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
これまでに男性15名、女性79名から脂肪組織が得られ、それぞれ平均BMIは24.7±5.78、21.8±2.93、平均のHOMAは1.1.7±0.58、1.33±2.29であった。これらの脂肪組織におけるレプチン遺伝子発現は年齢・性別で調整した後にBMIとは正の相関を(p=0.021)、アディポネクチン遺伝子発現(p=0.047)とは負の相関を認めた。BMI22以上の過体重群とBMI22未満の正常群とで、2倍以上発現が上昇しているものは75遺伝子、発現が低下しているものは100遺伝子認められた。またHOMAのインスリン抵抗性指標が1.5以上のインスリン抵抗性群と未満のインスリン感受性群で2倍以上発現が変化しているものは33、発現が低下しているものは28遺伝子であった。これらの遺伝子の中で上述した6か所の染色性領域に位置する遺伝子は9pに位置するFLJ35740、15q13-q21に位置するPLA2遺伝子など21存在した。PLA2遺伝子領域のSNPについて患者対照相関解析をおこなったところ2型糖尿病との相関を認めた。今後は更にヒト脂肪組織の検体数を増やして検討を行い、これらの遺伝子の発現と肥満・インスリン抵抗性との相関を確認するとともに、当該遺伝子のSNPについて2型糖尿病患者と非糖尿病者のDNAサンプルを利用した患者対照相関解析を行う。PLA2遺伝子については独立したDNAサンプルを用いて再現性を確認し、2型糖尿病感受性遺伝子としての意義を明らかにしていく。
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Research Products
(3 results)