2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖尿病性腎症治療標的分子としてのuPARの基礎的・臨床的意義の解明
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21591131
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
荒木 信一 Shiga University of Medical Science, 医学部, 助教 (80378455)
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Keywords | 糖尿病性腎症 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症(以下腎症)の発症・進展に関与する新たな治療標的分子を探索するため、遺伝子発現プロファイルによる網羅的遺伝子解析の結果に基づき、細胞線溶系因子であるウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(以下uPAR)を新規標的分子候補として着目し研究を行った。まず糖尿病モデル動物を用い、腎皮質でのuPAR遺伝子発現量と炎症関連因子の検討を行った。1型糖尿病モデル動物であるSTZ誘発糖尿病マウスを作成し、腎皮質でのuPARのmRNA発現を検討したところ、糖尿病発症2週後のuPAR mRNA発現量は、非糖尿病マウスに比べ有意に増加していた。また、uPAR mRNA発現量の増加に平行して、C5aR、MCP-1のmRNA発現量ならびにF4/80の増加が認められた。さらに、2型糖尿病モデル動物であるdb/dbマウスの腎皮質においても、1型糖尿病モデルと同様に、時間依存性にuPAR mRNA発現量の増加が認められた。これらの結果より、糖尿病状態の腎皮質では、高血糖状態により炎症が惹起され、マクロファージの浸潤をはじめとする生体反応にuPARが関与している可能性が示唆された。さらに、uPAR遺伝子欠損マウスに60%高脂肪食を12週間負荷することにより肥満関連uPAR遺伝子欠損マウスの作成し、同様の検討を行っている。
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