2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖尿病性腎症治療標的分子としてのuPARの基礎的・臨床的意義の解明
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21591131
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
荒木 信一 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80378455)
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Keywords | 糖尿病性腎症 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症(以下腎症)の発症・進展に関与する新たな治療標的分子を探索するため、遺伝子発現プロファイルによる網羅的遺伝子解析の結果に基づき、細胞線溶系因子であるウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(以下uPAR)を新規標的分子候補として着目し研究を行った。uPAR遺伝子欠損マウスに60%高脂肪食を12週間負荷することにより肥満関連uPAR遺伝子欠損マウスの作成し、高脂肪食負荷により惹起される体重、全身代謝、尿中アルブミン排泄量に及ぼすuPAR遺伝子欠損の影響を検討した。その結果、uPAR遺伝子欠損マウスに12週間の60%高脂肪食を負荷することで、60%高脂肪食負荷したワイルドタイプマウスよりも、体重が有意に減少し、血中インスリンおよびレプチン濃度の低下が認められた。また、腎重量に両群間で差を認めなかったものの、uPAR遺伝子欠損マウスでは、高脂肪食負荷による尿中アルブミン排泄量の増加は抑制される傾向にあった。さらに、高脂肪食負荷により認められる腎でのファイブロネクチン・4型コラーゲンのmRNA発現亢進も、uPAR遺伝子欠損マウスでは抑制される傾向が認められた。 また、滋賀医科大学で経年的に実施している経過観察研究に参加されている200名の2型糖尿病患者の血中suPAR蛋白濃度をサンドウッチELISA法を用いて測定を行った。現在、血中suPAR濃度と腎症病期との関連ならびに動脈硬化病変(PWV値など)・代謝関連指標との関連性を検討中である。
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Research Products
(1 results)