2011 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪滴蛋白FSP27が可能にする効率的な細胞内脂肪滴蓄積の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
21591136
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田守 義和 神戸大学, 医学研究科, 戦略的客員教授 (90379397)
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Keywords | 細胞内脂肪滴 / FSP27結合蛋白 |
Research Abstract |
脂肪細胞は他の細胞と異なり、細胞質内に安定して巨大な中性脂肪滴を貯蔵できる能力を持つ。今回の課題の目的は、脂肪細胞においてFSP27が安定した大きなサイズの脂肪滴をつくり出すメカニズムを解明することであった。具体的にはまずFSP27の変異体を作成し、FSP27の構造機能連関を検討し、脂肪滴のサイズを制御するのに重要なドメインを明らかにした。その結果、細胞内で安定して大きなサイズの脂肪滴を作り出すにはFSP27のアミノ末端(アミノ酸で1-129部分)は不要で、カルボキシル末端側半分の構造(アミノ酸130-239部分)で必要十分なことが明らかとなった。さらに我々は交付申請書にも記載したように、FSP27の結合蛋白の同定を行った。FSP27の構造機能解析から、FSP27に結合して脂肪滴サイズを調節する可能性のある分子はFSP27のカルボキシ末端に結合する蛋白であると考え、候補分子を2分子に絞ることができた。FSP27のカルボキシル末端側半分に結合する蛋白として、細胞内空胞の輸送に関与する蛋白およびヒストンのメチル化に関わる蛋白を同定したが、最終年度の検討で、これらの蛋白は大きなサイズの脂肪滴を形成には必ずしも必須ではなく、脂肪滴サイズの制御を行うのはFSP27単独であることが判明した。実際にFSP27のカルボキシル末端側半分の構造同士はFSP27の全長と同様にお互いインターアクションすることが確認できた。現時点の検討では、細胞内の脂肪滴膜に局在するFSP27はカルボキシル末端側半分の構造同士でインターアクションすることで、各々の脂肪滴同士の結合および融合が進み、巨大な脂肪滴を形成すると予測している。
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[Journal Article] PGRN is a key adipokine mediating high fat diet-induced insulin resistance and obesity through IL-6 in adipose tissue2012
Author(s)
Matsubara T, Mita A, Minami K, Hosooka T, Kitazawa S, Takahashi K, Tamori Y, Yokoi N, Watanabe M, Matsuo E, Nishimura O, Seino S
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Journal Title
Cell Metab
Volume: 15
Pages: 38-50
DOI
Peer Reviewed
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