2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパリンコファクターIIによる心リモデリングおよびインスリン抵抗性制御機構の解析
Project/Area Number |
21591140
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
粟飯原 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70372711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 雅史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90271080)
岩瀬 俊 徳島大学, 病院, 助教 (10403718)
藤中 雄一 徳島大学, 病院, 講師 (30432751)
遠藤 逸朗 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10432759)
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Keywords | ヘパリンコファクターII / トロンビン / 心筋リモデリング / インスリン抵抗性 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
(1)心筋リモデリングにおける組織トロンビン作用とヘパリンコファクターII(HCII) 我々が確立したHCII欠損マウスは、血管傷害によって血管リモデリングの促進異常を来す。HCII野生型マウスおよびヘテロ欠損マウスについて、浸透圧ミニポンプを皮下に埋設し、アンジオテンシンII(2mg/kg/day)を2週間投与した。左室心筋の病理組織について検討したところ、左室心筋間質の線維化が野生型マウスに比較して、HCII欠損マウスにおいて有意に増大していた。また興味深いことに心房心筋でも同様の所見が認められ、エコーの計測で、HCII欠損マウスにおいて有意な左房容積の増大を認めた。さらに、これらの表現型の成因の一部として、HCII欠損マウス心筋におけるNADPH oxidaseコンポーネントであるNox4やp67phoxなどの発現増加異常、PAR-1やTGF-βなどをはじめとする心筋リモデリングの制御因子発現異常が見いだされた。これらの異常は全てヒトHCII蛋白の補充でほぼ野生型マウスのレベルまで回復させることが可能となった。 (2)インスリン抵抗性発症における組織トロンピン作用とヘパリンコファクターII(HCII) 我々が作製したHCII欠損マウスの解析では、野生型マウスに比較して、体重の増加傾向とブドウ糖負荷後の血糖上昇傾向を呈していた。これらの結果は生体における脂肪細胞を含めた血管外組織でのトロンビン作用の活性化がインスリン抵抗性発症に関わる可能性を示唆しており、実際に我々は、合成トロンビン阻害薬のアルガトロバンが、2型糖尿病モデルマウスのインスリン抵抗性を改善させることを明らかにしている。その機序として脂肪細胞におけるMCP-1やAktのシグナリング経路の異常が関与していることを見いだした。さらにAMPKの関与についてもその分子機序の詳細について解析中である。
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Research Products
(16 results)