2011 Fiscal Year Annual Research Report
劇症1型糖尿病患者血清の蛋白質間相互作用解析を用いた新規インスリン様分子の同定
Project/Area Number |
21591150
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
寺前 純吾 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90351395)
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Keywords | 劇症1型糖尿病 / インスリン様物質 / タンパク質間相互作用分析 / 血清 |
Research Abstract |
1.rIR-FLAG分泌タンパクの作成 大腸菌を利用して、組み換えインスリン受容体(FLAGエピトープタグを付けたインスリン受容体(以下rIR-FLAG))のタンパク質の大量発現を試みた。具体的には、発現ベクターにrIR-FLAGのcDNAを連結し発現プラスミドを作製した後に、大量培養し、集菌後に超音波破砕した。しかしながら、可溶性部分にrIR-FLAGの目的タンパクを得ることが不可であった。誘導時間で用いる薬剤の濃度を下げたり、誘導時間を短くする等の工夫をしても、不溶性画分でのタンパクの生産が避けられなかった。したがって不溶性画分を精製し、尿素等の変性剤で可溶化した結果、GST融合タンパク(fIR-FLAG-GSTタンパク)を得ることができた。 2.タンパク質間相互作用分析 上記の大腸菌由来のrIR-FLAG-GSTタンパクを用いて、インスリンとのタンパク質間相互作用分析の予備実験を、FLAGに加えてGSTのタグを利用したアフィニティークロマトグラフィー、Far-Westernブロット法、Pull-down法を用いて行った。しかしながら、最終産物におけるインスリンの確認が出来なかった。rIR-FLAG自体の分子量が約210万と高分子のため、大腸菌での発現系だと封入体の生成が避けられないのでは、と考えられた。封入体からタンパクを得るためには、変性剤等を使用せざるを得ない。こうした変性剤等の使用により、活性を保った状態でrIR-FLAG-GSTタンパクを得ることは難しいのではないかと推測した。以上の予備実験の結果を踏まえて、当該患者血清を使用してのタンパク質間相互作用分析にまでは至っていない。
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