2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞生理活性因子による内臓肥満制御の分子基盤解明と新規治療法の探索
Project/Area Number |
21591153
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
加来 浩平 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (10116709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 道裕 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00165797)
柱本 満 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40346680)
菅田 有紀子 川崎医科大学, 医学部, 助教 (40351895)
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Keywords | 血管内皮細胞特異的PDK1欠損 / 血管新生 / VEGF / 内臓脂肪 / アディポネクチン / 脂肪細胞小型化 |
Research Abstract |
血管内皮細胞特異的PDK1欠損(以下VEPDK1KO)マウスは血管内皮細胞特異的にPDK1遺伝子発現が抑制され、他臓器では発現抑制を認めないこと、PDK1-Aktシグナル伝達は抑制されること、非欠損対照マウスに比し、高脂肪食下の体重抑制、内臓脂肪量減少、細胞小型化を認めることを既に確認してきた。更にVEPDK1KO、コントロールマウスへの高脂肪負荷を行い、OGTT、ITT、食事負荷試験による糖代謝調節能の評価とともに血中脂質レベル、脂質プロファイルの変化を評価した。また脂肪組織における血管新生の評価を行った。更に鎖骨下静脈カテーテル挿入術後、正常血糖高インスリンクランプ法および2-[^<14>C]deoxy glucoseを用いて、グルコース注入量、全身のグルコース取り込み量、解糖量、肝糖放出量、グリコーゲン合成量、全身のインスリン感受性を評価するとともに、肝組織でのインスリン刺激下IRS1,IRS2,Aktのリン酸化レベルを検討した。その結果、VEPDK1KOでは特に高脂肪負荷による耐糖能やインスリン抵抗性への影響は少ないことが明らかになった。その機序として内臓脂肪量の減少が想定され、その機序として、血管新生抑制が明らかになった。また肝糖放出の抑制が認められ、AMPキナーゼ活性化による肝糖新生系律速酵素であるPEPCK等の活性抑制によることが明らかになった。このマウスでは血管内皮細胞のPDK1欠損によりVEGFからのシグナル伝達が阻害された結果、脂肪組織内の血管新生の低下、脂肪細胞肥大化の抑制がもたされるとともに、小型脂肪細胞の割合が上昇し、血中アディポネクチン値の上昇などを伴い、耐糖能が改善すると思われた。
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Research Products
(4 results)