2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞生理活性因子による内臓肥満制御の分子基盤解明と新規治療法の探索
Project/Area Number |
21591153
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
加来 浩平 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10116709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 道裕 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00165797)
柱本 満 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40346680)
菅田 有紀子 川崎医科大学, 医学部, 助教 (40351895)
俵本 和仁 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70368629)
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Keywords | 血管内皮細胞特異的PDK1欠損 / db/dbマウス / 血管新生 / インスリン抵抗性 / 骨格筋 / 内臓脂肪 |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満を基に、様々な代謝異常を呈し糖尿病や動脈硬化疾患の基盤となる。我々は血管内皮細胞PDK1欠損マウス(VEPDK1KO)を作成し、高脂肪食負荷条件で内臓脂肪組織重量の増加抑制、脂肪細胞の小型化、インスリン感受性の亢進が見られることを既に報告してきた。本年度は更に高血糖・肥満時の血管内皮細胞PDK1の肥満形成、耐糖能における機能を解析するため肥満2型糖尿病モデルマウスであるレプチン受容体欠損マウス(db/dbマウス)とVEPDK1KOを交配させ、その表現型を解析した。db/db-VEPDK1KOの出生率は対照群(db/db-PDK^<flox/flox>)マウスと同等で、明らかな血管奇形も認めなかった。db/db-VEPDK1KOは高脂肪食負荷時と同様、16週齢で約7.4%の体重減少、内臓脂肪重量が約14%の低下を示した。しかし、食後インスリン値が約50%増加し、インスリン負荷試験でも筋を中心とした全身のインスリン抵抗性が惹起されていた。糖尿病の遺伝的背景を持たないVEPDK1KOでは高脂肪食負荷によって脂肪組織内のみで血管新生が低下していたが、db/db-VEPDK1KOでは脂肪組織に加えて骨格筋内の血管新生が低下し、さらにインスリン受容体の蛋白発現も低下していた。以上から、高脂肪食のみでは糖尿病の遺伝的背景が無い限り、血管新生の低下は抗肥満・インスリン感受性亢進をもたらすが、糖尿病の遺伝的背景を伴う場合には骨格内血管新生も加えて低下し、全身のインスリン抵抗性が悪化すると考えられた。
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Research Products
(4 results)