2011 Fiscal Year Annual Research Report
「細胞外pHをセンスするG蛋白共役型受容体」を介した骨・関節の代謝調節機構の解析
Project/Area Number |
21591157
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
戸村 秀明 明治大学, 農学部, 准教授 (70217553)
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Keywords | シグナル伝達 / 骨 / プロトン / G蛋白共役型受容体 / 生理活性 |
Research Abstract |
骨代謝は、骨・関節形成や機能を制御している。骨代謝はサイトカイン/受容体システムによって調節されていることがよく知られている。一方、アシドーシス時や関節炎他、炎症時に引き起こされる細胞外pHの低下に伴って骨や関節組織の細胞機能が変化することが知られている。しかしながら細胞外プロトンの感知機構の他、そのメカニズムの詳細は不明である。OGR1、GPR4、TDGA8、G2Aは細胞外プロトンを感知するユニークなGPCR群であることが我々のものを含め、報告されている,(OGR1ファミリー)。我々はpHの低下に伴う骨・関節組織の機能変化に、このファミリーが関与するものと考えている。本年は、1.OGR1欠損マウスと正常マウスの骨密度を、頭数を増やして測定し比較した。その結果、測定部位(骨端部、骨中心部)によって、両者の間の有意差があることが明らかとなったが、その差は小さなものであった。GPR4欠損マウスの骨密度が正常マウスのものとほとんど差がないという昨年の結果を考え合わせると、これらの受容体は、アシドーシスや関節炎など、緊急応答時に作用を発揮している可能性がある。実際、2.関節炎に対するGPR4の作用を解析するため、コラーゲン誘導性の関節炎実験を開始したところ、GPR4欠損マウスと正常マウス間で関節炎の進行度に差が存在するとの予備的な結果が得られつつある。実際にOGR1ファミリー受容体が炎症応答に関与する可能性は、酸性条件下におけるマクロファージからのTNFα産生のグルココルチコイドによる抑制応答においても、確認された。これらの結果を総合すると、骨、関節の形成・機能維持に関してOGR1ファミリーは炎症その他、緊急応答時に何らかの役割を担っている可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Involvement of proton-sensing receptor TDAG8 in the anti-inflammatory actions of dexamethasone in peritoneal macrophages2011
Author(s)
He, XD., Tobo, M., Mogi, C., Nakakura, T., Komachi, M., Murata, N., Takano, M., Tomura, H., Sato, K. & Okajima, F
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 415
Pages: 627-631
Peer Reviewed
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[Journal Article] Extracellular acidification induces connective tissue growth factor production through proton-sensing receptor OGR1 in human airway smooth muscle cells2011
Author(s)
Matsuzaki, S., Ishizuka, T., Yamada, T., Kamide, Y., Hisada, T., Ichimonji, I., Aoki, H., Yatomi, M., Komachi, M., Tsurumaki, H., Ono, A., Koga, Y., Dobashi, K., Mogi, C., Sato, K., Tomura, H., Mori, M. & Okajima, F.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 413
Pages: 499-503
Peer Reviewed
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