2010 Fiscal Year Annual Research Report
SDHBを指標とした悪性褐色細胞腫の遺伝子診断法の確立と悪性化機序の基礎研究
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21591168
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹越 一博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40261804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島野 仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20251241)
石井 清朗 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (80419150)
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Keywords | 褐色細胞腫 / 遺伝子診断 / SDHB / TMEM127 / mTOR / 悪性褐色細胞腫 |
Research Abstract |
今世紀に入り、以下の3点が見出され、遺伝性褐色細胞腫という概念が確立した。(1)近年のSDHBおよびSDHDの発見、(2)臨床的に散発性でも潜在的な遺伝性である可能性があること、(3)悪性化と関係する遺伝子(SDHB)が判明した事。現在、褐色細胞腫の原因遺伝子として、SDHB・SDHD・SDHC・VHL・RET・NF1の6種類に、ここ1~2年で発見されたTMEM127、SDHAF2、SDHAを加え9種類が関与しているとされている。本年も、引き続きSDHBを主とする褐色細胞腫の遺伝子解析を行った。結果、1例のSDHB陽性悪性例を同定し得た。 また、最近同定されたmTORを負に制御しているタンパクをコードしているTMEM127の変異による褐色細胞腫について、新たな検出系を立ち上げた。結果、本邦の異なる地域からの両側副腎性褐色細胞腫2症例で、新規なかつ同一のTMEM127の変異(c.117-121del:p.Ser40HisfsX66)を同定し得た。おそらく、本邦における初めての症例と思われる。一方、世界的にもTMEM127の変異報告が少ない事もあり(本変異が世界で21番目)、さらなる機能的な評価が必要である。現在、手術検体を用いてLOHの確認および変異によるmTORと下流のS6K1、4EBP-1などの機能解析を施行して、mTORの機能亢進の確認を考えている。また、異なる地域からの同一な変異であるため、ハプロタイプの解析によるfounder effectの確認も興味のある課題である。
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Research Products
(1 results)