2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナトリウム利尿ペプチド系活性化による新規の肥満・脂肪肝炎治療法開発の基盤研究
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21591174
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 尚久 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (40314207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 直生志 京都大学, 医学研究科, 助教 (60281755)
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Keywords | ナトリム利尿ペプチド / 肥満 / 脂肪肝 / 肝臓線維化 / 治療化 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 脂肪酸合成 / 脂肪酸燃焼 |
Research Abstract |
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)と脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)はグアニル酸シクラーゼ(GC)-Aを受容体として細胞内cGMP濃度を上昇させ、I型cGMP依存性プロテインキナーゼ(cGKI)を介して生理作用を発揮する。野生型および肝臓でBNPを発現させ心不全患者と同等の血中BNP濃度を実現したBNPトランスジェニック(Tg)マウスの雄を8週齢から60kcal%-fat高脂肪食で飼育した。20週齢において、野生型マウスでは高度の脂肪肝が形成されたが、BNP-Tgマウスでは肝臓での中性脂肪蓄積と、中性脂肪合成に関与するSREBP-1、 FAS、 SCD-1の遺伝子発現が有意に抑制されていた。高脂肪食下のBNP-Tgマウスでは、野生型マウスと比較して、骨格筋にてPGC-1αとPPARδの遺伝子発現充進とミトコンドリア増生が認められ、脂肪酸燃焼の充進が認められた。全身臓器でcGKIを過剰発現するTgマウスでもこの表現型は再現され、GC-Aノックアウトマウス・ヘテロ接合体では、高脂肪食による体重増加の充進が認められた。一方、野生型およびBNP-Tgマウスの雄に対して、1g/kg体重の四塩化炭素を8週齢から週2回腹腔内投与し、2週間、4週間、あるいは8週間投与後にて肝臓を摘出した。野生型マウスでは4週間投与後から明らかな肝線維化が認められたが、BNP-Tgマウスでは野生型マウスと比較して肝線維化が抑制されていた。臓器線維化に関与するTGF-β1とI型コラーゲンα1鎖の肝臓での遺伝子発現や、肝星細胞活性化マーカーであるα-SMA発現も、BNP-Tgマウスで、野生型マウスと比較して抑制されていた。
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Research Products
(3 results)