2010 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸低呼吸症候群と心血管病における内臓脂肪およびアディポネクチンの解析
Project/Area Number |
21591177
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸田 堅 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (10437329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船橋 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (60243234)
木原 進士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20332736)
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Keywords | 医療・福祉 / 循環器・高血圧 / 糖尿病 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
計画1. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)・心血管病(CVD)におけるアディポネクチン(APN)・内臓脂肪の関連性についての臨床研究(研究生:中川靖彦 樫根晋 准教授:船橋徹 特任研究員:岸田堅) a) SAS疾患保有者におけるCVD:現在の症例数40例(目標症例数:50例)で、引き続き登録を随時行う。 b) CVDハイリスク者におけるSAS(連携研究者:小倉記念病院循環器科部長 横井宏佳) 急性冠症候群患者のうち夜間睡眠中に急性冠症候群イベントを発症する患者は、内臓脂肪蓄積およびSASを合併している者が多く、また夜間APN濃度が低下していることが明らかとなった。本研究によって夜間睡眠中発症する急性冠症候群の病態解明に繋がり、その成果を現在英文誌に投稿準備中である。また、糖尿病入院患者はSASを合併していることより、入院時および退院時の各パラメータを検討することで血糖管理によるSASへの影響を評価するため、40例の症例登録は終了し液性因子の測定も終了しており、現在統計学的検討を行っている。 計画2. 低酸素負荷による各臓器障害に対するAPN作用の基礎研究(研究生:中川靖彦 教授:木原進士 特任研究員:岸田堅)肥満SAS患者において既に報告してきた夜間APN濃度の低下(AJP-EM 2008)は、脂肪分布指標であるウエスト/ヒップ比と逆相関を示した。この結果は、肥満SAS患者において、内臓脂肪・皮下脂肪におけるAPN調節に違いがあることが示唆された。肥満モデル動物のEx-vivo系において、SASの病態の一つである低酸素曝露によって皮下脂肪からのAPN分泌には影響せず、内臓脂肪からのAPN分泌を抑制することが明らかとなった(JAT 2010 in press)。以上の結果より、SASにおける内臓脂肪・アディポネクチンの病態意義が明らかとなり、新たなSAS治療戦略を考える上で重要な知見となった。
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Research Products
(6 results)