2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制および癌促進の相反する作用を有するパラフィブロミンの機能解析
Project/Area Number |
21591180
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉本 勝彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90201863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 武男 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10350399)
水澤 典子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80254746)
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Keywords | 副甲状腺 / 腫瘍 / miRNA |
Research Abstract |
「顎腫瘍を伴う副甲状腺機能亢進症」の原因遺伝子HRPT2がコードする531アミノ酸残基からなるパラフィブロミンは、癌抑制蛋白質として細胞増殖を抑制する。一方で、パラフィブロミンはSV40ウイルスのlarge T抗原(LT)を発現する細胞ではLTと相互作用し、細胞増殖を促進させる癌泊質としての側面を持つことが示唆される。パラフィブロミンの細胞増殖抑制機序及びLT発現細胞での細胞増殖促進機序を明らかにするとを目的に研究を行っている。HEK293細胞及びそのLT発現株である293FT細胞にパラフィブロミンを過剰発現し、変動する遺伝子を同定するためにマイクロアレイ解析及びリアルタイムRT-PCRによる解析を行ってきたが、現在まで細胞増殖に関連する遺伝子の同定には至っていない。近年、細胞増殖におけるmiRNAの関与、癌抑制蛋白質によるmiRNAの制御機構が報告されており、パラフィブロミンの過剰発現した293FT細胞でのmiRNAマイクロアレイ解析を行った。現在、HEK293、293FT、ヒト副甲状腺細胞株であるsHPT-1を用いて、得られた候補miRNAの発現変動のリアルタイムRT-PCRによる検証を行っている。またmRNAのスプライシングに関与するsmall RNAのU6は、近年種々の癌細胞での発現上昇及び細胞増殖に与える影響が示唆されている。さらにU6はRNA polymerase IIIにより転写され、Rb、p53等の癌抑制蛋白質がその発現を制御することが報告されている。そこでパラフィブロミンがRNA polymerase IIIによるU6の転写を調節するという仮説を立て、ルシフェラーゼアッセイによるパラフィブロミンのU6発現変動を検討している。今後はRNA polymerase IIIの転写複合体の構成蛋白質とパラフィブロミンの相互作用について検討する予定である。
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Research Products
(4 results)