2011 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制および癌促進の相反する作用を有するパラフィブロミンの機能解析
Project/Area Number |
21591180
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉本 勝彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90201863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 武男 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10350399)
水澤 典子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80254746)
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Keywords | 内科 / 内分泌 / 腫瘍 |
Research Abstract |
「副甲状腺機能亢進症-顎腫瘍症候群」の原因遺伝子HRPT2がコードする531アミノ酸残基からなるパラフィブロミンはRNAポリメラーゼIIによる転写開始から翻訳まで広範囲に関与する転写調節複合体の構成蛋白質の一つである。パラフィブロミンの過剰発現は細胞増殖抑制を示す一方で、SV40ウイルスのlarge T抗原(LT)を発現する細胞ではLTと相互作用し、細胞増殖を促進させるが、その細胞増殖抑制およびLT存在下での細胞増殖促進の分子機序は不明である。近年、細胞増殖に関与するmiRNAが報告されており、本研究ではパラフィプロミン過剰発現系及び発現抑制系を用いて、変動するmiRNAについてマイクロアレイ解析を行ったところ、miR-32と核内のsmall RNAであるU6がパラフィブロミンを過剰発現するヒト副甲状腺細胞株sHPT-1細胞で発現が減少した。U6プロモータの下流にルシフェラーゼを組み込んだレポーターベクターを構築し、.\sHPT-1細胞にパラフィブロミン発現ベクターと共発現させたところ、パラフィブロミン発現ベクター量依存的にルシフェラーゼ活性は低下した。U6はRNAポリメラーゼIIIにより転写され、mRNAのスプライシングに関与するsmall RNAであるが、近年、種々の癌細胞で発現上昇すること、細胞増殖を正に制御していることが報告されている。パラフィブロミンはRNAポリメラーゼIIIの転写にも関与し、U6がパラフィブロミンの関わる細胞増殖制御機序の一端を担っている可能性が示唆された。一方、miR-32については現在解析中である。 家族性副甲状腺機能亢進症2家系においてHRPT2遺伝子の胚細胞変異を検討した。1家系は2名の副甲状腺腺腫症例を有し、このうち1名は特発性アルドステロン症を合併していた。顎腫瘍は認められなかった。もう1家系の1例は副甲状腺腺腫と顎腫瘍を伴っていたが、明らかな家族歴は認められなかった。2家系ともにHRPT2遺伝子の胚細胞変異は認められなかった。
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Research Products
(1 results)