2009 Fiscal Year Annual Research Report
多機能神経ペプチドPACAPの精巣特異的生合成調節機序とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
21591182
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮田 篤郎 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60183969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (30363641)
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Keywords | 下垂体 / アデニル酸シクラーゼ / 神経ペプチド / 精巣 / 遺伝子発現 / 転写因子 / 生殖系細胞 |
Research Abstract |
多機能神経ペプチドPituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)は、中枢神経系に分布する他、精巣にも比較的高濃度に存在しており、PACAPおよびそのレセプター発現が精子形成のステージにより周期的に変化する事から、生殖細胞の分裂増殖、分化あるいは生存への関与が示唆されている。我々は、ヒト精巣におけるPACAP遺伝子発現調節機構を解明する目的で、ヒトPACAP遺伝子において、精巣特異的PACAPプロモーター領域の同定と解析を行った。前年度に同定したヒトPACAP遺伝子の精巣特異的エクソン上流の転写調節領域の中の約80bpの領域に精巣特異的プロモーターの存在が示唆されていたことから、F9核蛋白においてこの領域に結合するタンパク質の存在をgel shift assayにより確認し、その結合タンパク質をDNA affinity chromatographyにより精製、Mass spectrometryにより同定を行った。同定したタンパク質の特異性を検討するため、siRNAを用いてノックダウンし、プロモーター活性に対する影響をluciferase assayにより確認した。F9細胞において活性を示すプロモーター領域である80bpを同定し、その領域と核タンパク質との結合を確認した。その結果今年度同定された結合タンパク質はPARP-1とTIARであった。これらタンパクをノックダウンすると、80bpのプロモーター活性が変化した。このうちTIARはそのノックアウトマウスの雄において無精子症を呈することが報告されており、PACAPの精巣特異的機能への関与が示唆された。
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Research Products
(13 results)