2010 Fiscal Year Annual Research Report
多機能神経ペプチドPACAPの精巣特異的生合成調節機序とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
21591182
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮田 篤郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (60183969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和彦 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (30363641)
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Keywords | 下垂体 / アデニル酸シクラーゼ / 神経ペプチド / 精巣 / 遺伝子発現 / 転写因子 / 生殖系細胞 |
Research Abstract |
多機能神経ペプチドPituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)は、中枢神経系に分布する他、精巣にも比較的高濃度に存在しており、PACAPおよびそのレセプター発現が精子形成のステージにより周期的に変化する事から、生殖細胞の分裂増殖、分化あるいは生存への関与が示唆されている。我々は、PACAPの精巣特異的機能発現を解明する目的で、PACAPの精巣特異的生合成について、ヒトPACAP遺伝子の精巣特異的PACAPプロモーター領域の同定と解析を行った。さらに、PACAP特異的受容体であるPAC1についても、精巣特異的遺伝子発現調節を明らかにするため、ヒトPAC1遺伝子の5'上流域をクローニングし、エクソン1を含む-372/+268領域(hP1L-5)において、NGF刺激により誘導されるプロモーター活性を見出した。NGF刺激によるhP1L-5のプロモーター活性はMEK阻害剤(UO126)によりほぼ完全に抑制され、SP1阻害剤(Mithramycin)により有意に抑制された。hP1L-5に存在する2ヶ所のSP1サイトに点変異を導入し、プロモーター活性を比較検討したところ、-282/-272に存在するSP1が主に関与することを明らかにした。また、ERストレス因子であるTunicamycin処理やin vitro虚血によりPC12細胞におけるPAC1遺伝子発現が抑制されることを見出し、精巣においてもPAC1がダイナミックに発現調節を受けていることが示唆された。
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Research Products
(18 results)