2009 Fiscal Year Annual Research Report
新たに同定した肥満関連遺伝子の機能解析と新規肥満関連遺伝子の検索
Project/Area Number |
21591186
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
堀田 紀久子 The Institute of Physical and Chemical Research, 内分泌・代謝疾患研究チーム, 上級研究員 (30360639)
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Keywords | 視床下部 / 肥満 / セクレトグラニン2 / セクレトグラニン3 / SEC16B |
Research Abstract |
セクレトグラニン3(SCG3)と結合するタンパク質としてセクレトグラニン2(SCG2)を同定した。SCG2は視床下部に高発現し、特にオレキシン、MCH、NPY、POMCニューロンに発現していた。また、SCG2は食欲調整ペプチドのオレキシン、MCH、NPY、POMCと結合した。SCG2はオレキシン、MCH、NPY、POMCの自己凝集を促進する作用があることを明らかにした。以上の結果からSCG3はSCG2を介して、オレキシン、MCH、NPYと結合し、分泌顆粒を構成することが示唆された。SCG3とSCG2の視床下部における発現は絶食にて増加した。しかし、高脂肪食負荷による肥満や遺伝性肥満であるob/obマウスでは発現に変化を認めなかった。このことから、SCG2、SCG3は急激な体重減少や代謝の変化(インスリン、血糖値、レプチンの低下)に伴いその発現量が変化し、食欲調節に関与していることが示唆された。一方、海外から新たに肥満関連遺伝子が報告されたので、日本人において肥満との関連性を検討した。すでに報告しているFTOに加えて、SEC16B、TMEM18、BDNFが日本人でも有意に肥満と相関することが明らかとなった。TMEM18、BDNFは視床下部に多く発現している。また、SEC16BはSCG2やSCG3と同様に分泌に関わるタンパク質である。BDNFは食欲調整ペプチドそのものである。以上から、視床下部における食欲調整ペプチドとその分泌機構が肥満発症に重要であることがわかってきた。
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