2010 Fiscal Year Annual Research Report
新たに同定した肥満関連遺伝子の機能解析と新規肥満関連遺伝子の検索
Project/Area Number |
21591186
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀田 紀久子 京都大学, 医学研究科, 助教 (30360639)
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Keywords | 肥満関連遺伝子 / 内臓脂肪 / 皮下脂肪 / 肥満症 / 非アルコール性脂肪肝炎 |
Research Abstract |
肥満には糖尿病、脂質代謝異常、高血圧、脂肪肝などの合併症が生じる。肥満に合併症が生じた状態は肥満症と称し治療の対象になる。平成22年度は肥満症発症の重要な因子である内臓脂肪蓄積に関連する遺伝子について検討した。ゲノムワイド相関解析により同定されたウエスト径に関連しているFT0、NRXN3、TFAP2B、MSRA,LYPLAL1、MC4Rの遺伝子上や近傍のSNPについて日本人で検討した。NRXN3のSNPは日本人では多型ではなく、人種により異なることが示唆された。FT0遺伝子上のSNPのみが、CTで測定した内臓脂肪面積に関連していた。このSNPは皮下脂肪面積にも関連していた。他のSNPでは内臓脂肪面積、皮下脂肪面積ともに相関が認めらなかった。人種差、検出力の問題、ウエスト径と内臓脂肪面積の関連性などいくつかの理由が考えられた。肥満の合併症で最も頻度の高いのは非アルコール性脂肪肝障害(NAFLD)である。NAFLDのなかには単純性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が含まれる。NAFLDでNASHまで進行しているかどうかは最終的には肝生検による組織診断が必要である。これまでNAFLDの遺伝子検索を行ってきて、遺伝素因が重要であることを示唆してきた。脂肪肝に関連すると報告されたPNPLA3遺伝子のrs738409について検討した。このSNPはNAFLDと強い相関を示した(P=9.4×10^<-10>)。年齢、性別、BMIを考慮したアレル特異的オッズ比は1.73 (1.25-2.38)と他の生活習慣病に比較し高かった。AST、ALT、線維化指数とも関連しており、PNPLA3はNAFLDの発症、進展に関連していることが示唆された。このSNPは内臓脂肪面積や肥満との関連性は認められず、肥満でNAFLDになる人とならない人では遺伝素因が重要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Polymorphisms in NRXN3, TFAP2B, MSRA, LYPLAL1, FTO and MC4R I and their effect on visceral fat area in the Japanese population.2010
Author(s)
Hotta K, Nakamura M, Nakamura T, Matsuo T, Nakata Y, Kamohara S, Miyatake N, Kotani K, Komatsu R, Itoh N, Mineo I, Wada J, Yoneda M, Nakajima A, Funahashi T, Miyazaki S, Tokunaga K, Kawamoto M, Masuzaki H, Ueno T, Hamaguchi K, Tanaka K, Yamada K, Hanafusa T, Oikawa S, Yoshimatsu H, Nakao K, Sakata T, Matsuzawa Y, Nakamura Y, Kamatani N.
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Journal Title
Journal of Human Genetics
Volume: 55
Pages: 738-742
Peer Reviewed
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